Vol.0827
<タックスニュース>
非上場株式評価の見直し 残余利益方式の試算示す
国税庁はこのほど、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の6回目の会合を開き、株式の評価方法を「残余利益方式」に見直すとする前回提示した事務局案について、具体的な評価水準の試算を示した。国税当局は、残余利益方式で税負担増が懸念される大会社に対しても「現行の中会社や小会社と変わらない水準とすることが可能だ」とした。
国税当局は残余利益方式の加算期間5年、還元率8%とした場合の評価水準の試算を示した。大会社の残余利益による評価額は現行の申告評価額比で上昇するものの、対純資産価額比では斟酌率が0.8の場合で現行の小会社、0.7の場合で現行の中会社とおおむね同程度の評価水準になるとした。加算期間を5年と想定していることについて、委員からは「残余利益モデルは本来、無限期間を前提とした理論であるが、実務上5年で打ち切ることには一定の合理性があり、やむを得ないのではないか」と肯定的な意見が出された一方で、「5年で打ち切ることで、将来にわたって発生する損益などを十分反映できないのではないか」などの意見が出された。
残余利益方式によらず純資産価額方式で評価することが相当と認められる「特定の評価会社」についても議論し、①株式の価値の大半を保有資産の価値が占めると考えられる会社②評価通達における残余利益方式での評価が技術上困難と認められる会社③継続企業の前提に疑義がある会社④継続企業の前提を欠いている会社――の4類型に整理したとしている。
国税庁は今秋を目途に2027年度税制改正に向けた案をまとめる方針。27年度税制改正大綱で見直しの方針が示されれば、評価通達の改正を経て28年1月から新ルールが適用される可能性がある。
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<タックスワンポイント>
物件の買い主が固資産税を負担 正しい経理処理は?
不動産を購入する際には、不動産自体の代金に加えて、譲渡日からその年の終わりまでの分に相当する固定資産税を買い主が負担するというルールがある。1年のうち、自分が所有する期間の固定資産税は払うという考え方に基づくものだが、これはあくまで不動産取引の慣習に過ぎず、法律で定められた規定ではない。税法上の固定資産税の納税義務者もあくまで売り主であり、買い主に納税義務は一切ない。
そのため、実際に買い主が売り主に固定資産税相当額を支払ったときには、税法上は税金の支払いではなく、売買代金の一部と見なされる。買い主側の勘定科目としても、買い主が納めるべき税金ではないので、租税公課として経費処理しないように気を付けたい。
ではどう計上するかというと、売買契約書に記載された売買金額に、固定資産税相当額を加算した金額が、その不動産の実際の取得価額となる。土地の固定資産税相当額であれば「土地」、建物の固定資産税相当額であれば「建物」の、購入した資産の金額に含めて処理するわけだ。
