Vol.0826
<タックスニュース>
消費税減税特化の「大綱」を閣議決定 財源示さず、所得連動給付は地方も負担
政府は9月15日、食料品の消費税率引き下げに特化した税制改正大綱、「飲食料品消費税率の引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を閣議決定した。2029年度からの本格導入をめざす中低所得者向けの新たな現金給付制度「所得連動給付制度」の創設も盛り込んだ。現金給付にあたっては、地方自治体に3分の1の財源負担を求めている。一方で、減税・給付に必要な財源については具体的な記述がなかった。
例年、年末にとりまとめられる包括的な税制改正大綱は、自民党税制調査会を中心に決定される大綱、いわゆる〝与党税制改正大綱〟をベースに、政府側での調整を経て政府税制改正大綱として閣議決定される。しかし、消費税減税に特化したこの「大綱」は、政府側から案が与党税調や地方自治体などに示され、政府主導で極めて短期間に閣議決定にまでこぎつけた。政府は、秋の臨時国会で法整備し、準備期間を経て来年4月から税率引き下げをスタートさせる方針。
政府は消費税減税の財源について、赤字国債に頼らない方針を打ち出しているが「大綱」では具体的な財源を明記せず「早期に結論を得る」とした。消費税率1%への引き下げについては「2年間に限る」としたうえで、1%分の範囲内で所得に応じた現金給付制度を来年4月から導入するとしている。消費税率の引き下げに伴って手取りの減少が懸念される小規模農林漁業者については、個別の売上高を踏まえた金額を給付する仕組みを導入するなどの支援策も盛り込まれている。
2029年度からの本格導入をめざす中低所得者向けの新たな現金給付制度の創設については、国が財源の3分の2以上を負担する方針であると明記。残りの3分の1を都道府県と市町村が半分ずつ負担する。そのうえで27年度と28年度については国がすべての自治体に対して特別交付金で補填するとしている。本格導入する29年度には給付を2回に分け、4月に半年分を支給、秋に残りの半年分を支給する。また、給付制度の導入に伴う事務費やシステム改修費などの経費については、増加するコストの全額を国が負担するとしている。
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<タックスワンポイント>
膨らんだ社長からの借金 残せば相続財産に
資金繰りが厳しくなった際の当座の運転資金として、社長個人が一時的に会社にお金を入れるというケースは珍しくない。オーナー企業であれば財布を混同しがちということもあり、一度便利な方法として覚えてしまえば借金を繰り返し、気が付けば数千万円に膨らんでいるということも考えられる。
こうした会社への貸付金は、社長の身に何かが起こって相続が発生すれば、すべてが相続財産として課税対象となる。手元に現金としてあるわけでもなく、将来的に返してもらえる当てがあるわけでもない借金のツケが、数千万円の税負担に化けてしまうわけだ。赤字の会社であれば、社長に債権放棄をさせたうえで、それによって会社に生じた債務免除益を繰越欠損金と相殺していくという方法がある。数年にわたって赤字の範囲内で債権を放棄していくことで、債務免除による法人税負担を負わずに済む。
問題は業績のよい黒字企業で、法人税負担を抑えながら社長借入金を解消していくには、ある程度長い時間をかけた対策を余儀なくされる。設備投資など大きな支出のある年に、債権放棄のタイミングを合わせて両者を相殺するか、あるいは生命保険を使って、年々支払う保険料のうち損金計上する額と同額を債務免除していき、満期を迎えたあかつきには、会社が受け取る保険金から残額を返済するというやり方も考えられる。
いっそのこと、債権にかかる相続税と債務免除益にかかる法人税を比べたうえで、あえて法人税を受け入れるというのも一つの考え方だ。相続財産や会社の規模にもよるが、中小法人には法人税の軽減税率が認められているため、法人税のほうがマシというケースも多い。
