タックスニュース

Vol.0825

<タックスニュース>

相続土地国庫帰属制度  〝帰属率〟51%、初の5割超に

 法務省が公表した7月31日現在の「相続土地国庫帰属制度の運用状況」によると、2023年4月27日の制度開始からの累計申請件数は5863件で、このうち国に帰属された件数は3008件だった。帰属件数は制度開始から3年3カ月で3千件を突破。申請件数に占める帰属件数の割合、いわゆる〝帰属率〟は51%で初の5割超となった。
 23年度の申請件数は制度開始から約11カ月間で1905件、2年目の24年度は年間1675件、3年目となる25年度は同1672件。申請件数はほぼ横ばいで、制度の利用は思いのほか進んでいなかった。しかし、26年度は4カ月間で611件となっており、このままのペースで推移すると仮定した場合、年間で約1800件となる見通し。
 国に帰属された件数は26年3月末時点で2605件。25年3月末時点までの累計が1486件だったことから、25年度の1年間で1119件増えた。26年度は4カ月で403件増えており、このままのペースで推移すれば1年間で約1200件の増加が見込めるものと推計できる。
 累計申請件数5863件を地目別の内訳でみると、「田・畑」が2278件で全体の39%を占めている。「宅地」は2040件で35%、「山林」は893件で15%、「その他」は652件で11%だった。国に帰属された件数3008件を種目別の内訳でみると、「宅地」が1115件で全体の37%を占めている。「農用地」は964件で32%、「森林」は199件で7%、「その他」は730件で24%だった。
 申請が却下された件数は85件、不承認となった件数は96件、申請を取り下げた件数は1102件だった。
 申請件数が思いのほか伸びていない理由としては、申請時の必要書類が多いこと、引き取り要件が多岐にわたることなどが挙げられる。申請の際には一筆当たり1万4千円の審査手数料が必要で、申請を取り下げた場合でも返還されず、再申請のたびに費用がかかる。国に帰属されたケースでも10年分の土地管理費相当額の負担金が必要になる。また、審査に時間がかかることも申請件数が伸びない要因だとされている。申請を受理する各地の法務局では審査に要する標準的な期間を「約8カ月」としている。

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<タックスワンポイント>

税務調査が激化? 「KSK2」が9月稼働

 9月24日、国税庁の心臓部ともいえる巨大システムが刷新され、「次期国税総合管理システム」、いわゆる「KSK2」が稼働する。
 そもそもKSKとは、全国の国税局や税務署をネットワークで結び、申告や納税の実績、企業間の取引状況といったあらゆる納税者情報を一元管理するシステムのことだ。なぜ巨大システムを刷新する必要があったのかというと、最大の理由は、旧KSKが典型的なレガシーシステム(老朽化した複雑なシステム)に陥っていたからだ。
 KSKは1990年代後半から段階的に導入されたもので、独自のメインフレームを採用したことなどから維持管理コストが膨大になっただけでなく、税制改正への迅速なシステム対応が難しくなるなど、行政のデジタル化の大きな足かせとなっていたという。
 今回導入するKSK2では、最新のクラウド技術などを取り入れ、システムの柔軟性と複数の税目を横断するデータ連携が飛躍的に向上するとみられている。これが中小企業にとって何を意味するかといえば、税務当局による情報収集・分析能力のさらなる高度化にほかならない。あくまでKSK2の目的は、国税当局の内部事務の効率化ではあるものの、各種デジタルデータとの突合やAIを活用した分析がよりスムーズになれば、これまではマンパワーの限界で見逃されていたような不自然な経理処理や申告漏れも、あぶり出されるようになる可能性は決して低くない。中長期的に、税務調査のデータ分析がより精密になっていくと心得ておきたい。

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