<タックスニュース>

STOPインボイス集会  「いじめっ子がやることだ」

来年10月に導入される消費税のインボイス制度に反対するフリーランスや税理士らが10月26日、東京・千代田区の日比谷野外音楽堂で集会を開いた。会場には制度導入による影響を大きく受ける免税事業者ら1200人が参加し、インボイスの中止を訴えた。
発起人でフリーライターの小泉なつみさんは、「インボイスとは税率を変えない消費税の増税で、弱い人に負担を押し付ける制度。私もインボイスを求められたら生活があるので受け入れざるを得ない。生活を人質に取り弱い者をさらに弱くし、そして弱い者の自信をなくさせる。これは国がやることではなく、いじめっ子がやること。今日のアクションはネットワークもなかった個人同士が政治を変える壮大なチャレンジ。政治に声を届けていくことを続けていこう」と呼び掛けた。
続いて、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組の所属議員からそれぞれ挨拶があり、その後、ゲストスピーカーとして14人が登壇した。
政策コンサルタントの室伏謙一氏は「カタカナでいうインボイスという言葉は非常にトリッキー。中身がわからないまま導入されて、気が付いたら自分たちが被害者になっている」とインボイスの危険性を訴えた。経済評論家の三橋貴明氏は、「財務省では増税に成功した担当者は出世する。消費税を増税すれば事務次官になれる仕組み。インボイスだって官僚の出世のためにやるもので国民のメリットはなにもない。財務省と戦い続けてきているが、インボイス制度が最前線。一人ひとりができることをやっていきましょう」と会場に訴えた。経済ジャーナリストの荻原博子氏は「コロナ禍で諸外国が消費税率を引き下げているなかで、インボイスはさらなる消費税増税の布石になる。国民負担率が48%にのぼる現在の状況は江戸時代に一揆が多発した“五公五民”の状況で、いまその柱となっているのが消費税。インボイスなんてとんでもない」と話した。そのほか、インボイスの影響を強く受けるとされている演劇人や声優、アニメーター、ラッパー、演出家、俳優、さらに税の専門家である税理士団体の代表などがインボイスに反対する理由や公正な税制実現に向けた思いを語った。
今回の反対集会の主宰者による呼び掛けで、インボイス中止を求める電子署名は前日の夜の時点で10万筆に達した。また、クラウドファンディングによる100万円超の支援があったという。

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<タックスワンポイント>

保険金受取人の名義変更はお早めに  「贈与」扱いになると非課税枠は使えず

死亡保険金は被相続人の死亡によって発生するもので、被相続人が元々持っていた財産ではないため、民法上は相続財産に含まれない。しかし税法上では、死亡保険金は「みなし相続財産」として、相続税の対象となってしまう。
一方で、死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」という独自の非課税枠が定められているため、他の相続財産よりは有利ということはできる。ただし、この非課税枠はあくまでも保険契約で受取人とされていた相続人が利用できるもので、受取人以外が使うことができない点に気を付けたい。本来の受取人以外の人が保険金を受け取ると、贈与とみなされて年間110万円を超える部分に課税されてしまう。
例えば父が亡くなり、6千万円の相続財産があったとする。そのうち1千万円については、母が受取人の死亡保険金だ。本来ならそのまま母が受け取るべきだが、母は自身の財産で今後の生活の見通しが立つため、子ども2人で折半して受け取ることにした。このとき、非課税枠(500万円×相続人の人数)の範囲内なので生命保険金の部分については相続税がかからないかといえば、それはNOだ。死亡保険金は相続財産ではなく受取人の固有の財産なので、母が受取人となっている死亡保険金を子が受け取ると、母から子への贈与として課税されることになる。いったん母が受け取れば非課税枠を使うことはできるが、その後で子に渡せばまた贈与税がかかって意味がない。
この家族については、母が保険金を受け取らなくてもよいのなら、父が亡くなる前に受取人を子に変えておくべきだったといえるだろう。相続人の生活状況や意向を考慮し、必要であれば受取人を変更しておくといった手続きをしておきたい。

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