Vol.0811
<タックスニュース>
マイナポイント事業に約1.4兆円 会計検査院 調査結果を国会へ報告
会計検査院はこのほど、マイナンバーカードの所有者を対象にポイントを付与する政府の「マイナポイント事業」について、調査結果を国会へ報告した。この調査は参議院からの要請で実施されたもの。2019~23年度の支出額は合計1兆3905億円で、支出のほとんどがカード取得者に付与するポイントの原資に充てられていたことが分かった。付与したポイントのうち1兆1623億円が利用されたという。広報関連経費は211億円に上った。自主返納などによるカード廃止は93万枚だった。
マイナポイント事業への支出額や、自主返納を含むカードの廃止申請枚数が明らかになったのはこれが初めて。
マイナポイント事業は2段階で実施され、第1段(19~21年度)ではマイナンバーカードの取得に最大5千円相当のポイントを付与。第2段(21~23年度)では第1段の内容に加え、マイナ保険証の利用申し込みや公金受取口座を登録した場合にそれぞれ7500円相当のポイントを付与した。
調査によると、19~23年度のマイナポイント事業の予算額は合計2兆1422億円で、支出額は同1兆3905億円。付与したポイントのうち同1兆1623億円が利用され、利用率は94.2%だった。
マイナンバーカード取得者向けサイト「マイナポータル」の利用者数は25年7月末時点で7958万人に増加したが、同時点までのカード廃止枚数も1623万枚を数え、このうち自主返納などと分類されたものが93万枚に上った。これについて会計検査院では「期間中に相次いで明らかになった情報のひも付けミスなどが利用者に不信感を抱かせた可能性がある」と指摘している。
この事業では大規模な宣伝が行われ、ポイント付与以外の支出額1190億円のうち広報関連経費として211億円が投じられた。会計検査院では「全国的に特に大規模展開されていた広報において、媒体の種類、媒体別投下量等の検討・決定の経緯が分かる資料が保存されておらず、妥当性を確認できない状況」と指摘したうえで、事業主体の総務省に対して「決定した経緯が分かる資料を事後的な検証のために適切に保存するなどして、広報戦略の実施の妥当性を十分に説明できるようにすること」を求めた。
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<タックスワンポイント>
「通常必要」な出張費用の境界線 過大だと給与課税リスク
仕事の出張とはいえ、普段行くことのない場所は気持ちが高ぶるものだ。かといって、出張にかこつけて空き時間に観光などをすれば、その費用は「出張費」には含められず、会社の損金にもできない。さらに業務上必要として支出したものであっても、その内容や金額次第では、出張したひとへの給与とみなされて課税されてしまうことがあるので気を付けたい。
所得税法では、出張に必要だとして支給される費用のうち、業務に「通常必要」と認められるものについては、給与課税されないことになっている。出張以外にも、転勤に伴う引っ越しのための移動なら、社員本人だけでなく家族の旅費も非課税だ。
そして「通常必要」の定義とは、「同業種、同規模の他の使用者等が一般に支給している金額に照らして相当と認められるもの」と定められている。算定の際には、役員と従業員の間で適正なバランスが保たれていることが求められるが、差を一切つけてはいけないわけではない。
では具体的に出張費の〝相場〟はどれくらいか。地域や規模によってまちまちなため、一概にいうことはできないが、産労総合研究所の調査によれば、国内への宿泊出張の平均的な宿泊料の実費は、部長クラスなら約1万1千円、一般社員なら約1万円となっている。これに日当を加えれば、トータルすると国内出張は1日約1万5千円~2万円程度が〝相場〟といえるかもしれない。なお、出張規定に定めている以上に実費としてかかっても、業務上必要なものであると説明できるなら非課税で処理して問題ない。
