Vol.0815
<タックスニュース>
会計検査院 ふるさと納税の〝赤字〟指摘 地方財政に影響、8年間で約3200億円
会計検査院は6月12日、会計検査院法第30条に基づく「国会及び内閣への随時報告」を行った。地方財政計画額と、それに対応する地方自治体の普通会計決算額との乖離の状況について調査した結果を、会計検査院長から衆参両院の議長と首相に対して報告したもの。ふるさと納税については2017~24年度の8年間で、地方自治体全体の決算への影響額が総額でマイナス約3200億円に上ると指摘した。
検査院の調査によると、地方自治体の年度ごとの歳入・歳出の見込額を示す地方財政計画額と、自治体の決算額とでは、最大約38兆円の乖離が生じていた。国によるコロナ対策の交付金約18兆円が自治体に予算措置された20年度の計画額は、歳入・歳出とも90兆円だったのに対し、決算額では歳入が38兆円増の128兆円、歳出が33兆円増の123兆円に膨らんだ。補正予算などを計画に加味し、修正して再度計算した結果、歳入は2.2兆円、歳出は1.9兆円の乖離にそれぞれ圧縮された。
2010~20年度の地方財政は、歳入・歳出ともに各年度とも決算額が計画額を上回っており、乖離が発生している。だが、総務省は同一年度内に返還される年度内貸付けの額を控除する修正などを行って乖離の状況を公表していた一方で、基金取崩額が乖離の要因として考えられることを注記するなどの取り組みを行っていなかったと指摘した。
「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(コロナ交付金)」については、交付金を積み増した一般財源措置額がそのまま決算剰余金となったものがあり、「コロナ交付金は基金の積立金現在高に影響を与えていたと考えられる」としたうえで「今後、基金を取り崩して事業を実施した場合、地方財政計画額を上回る乖離を拡大する要因の一つとなる可能性がある」と分析。
19年度以前には100兆円台で推移していた地方自治体の決算額は、20年度にはコロナ対応で120兆円超の規模となり、その後は減少傾向であるもののコロナ禍前の水準には戻っておらず、25年度も110兆円超の規模を保ったままとなっている。
地方自治体は、特定の目的のために財産を維持する「基金」を設置可能で、決算剰余金が生じた場合にはその2分の1以上の金額を基金に積み立てる。基金の積立金現在高は、25年度で28 兆8722億円となっており、コロナ禍前と比較して約6兆円増加している。
ふるさと納税による決算への影響は、納税先の自治体の受入額(寄付額)と、納税者が住んでいる自治体の税収減(住民税控除額)の差額から、返礼品調達代金や仲介サイト手数料、梱包・発送料など、ふるさと納税募集に関わる経費の総額を差し引いた額で示される。寄付額には、納税者が負担する2千円や、国税の所得税の控除分も含まれるため、住民税控除額より大きくなる。
検査院によると、2017~24年度に自治体全体が受け入れたふるさと納税の総額は約6兆2200億円で、住民税控除の総額は約3兆5600億円、経費の総額は約2兆9800億円。単純計算すると、総額で約3200億円の〝赤字〟になっていると指摘した。検査院では総務省に対し、ふるさと納税が地方の財政計画に与える影響などの検証を求めている。
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<タックスワンポイント>
ヘッドハンティング 支度金の税務処理 引抜料も含め損金算入が可能
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ただし雇用は有期契約でないかぎり、いつまで続くかはわからない。そのため通常スポーツ選手の契約金などを除き、サラリーマンのヘッドハンティングであれば、仕度金や引抜料は支出した事業年度の損金とすることになっている。
