Vol.0778
<タックスニュース>
ふるさと納税 ポイント付与全面禁止 村上総務相「ネット通販であってはならない」
村上誠一郎総務大臣は9月9日の閣議後会見で、ふるさと納税のポイント付与について、「(ふるさと納税の制度は)公金を使用した公的な税制上の仕組みであって、いわゆるインターネット通販であってはならないと考えている。ポイント付与で寄附者を誘引するポータルサイトなどが利用されて、その付与率に係る競争が過熱化することが、ふるさと納税の趣旨に則った適正なものとはいえない。自治体と関係事業者には、適切に対応していただきたいと考えている」と述べた。ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示が10月1日に施行されることを受けた発言。
「ふるさと納税」のポータルサイトを運営する楽天グループは、ポイント付与を全面的に禁止する総務省の告示は違法であるとして7月、国を相手に告示の無効確認などを求める行政訴訟を東京地方裁判所へ提起している。提訴時の会見で楽天グループの百野健太郎副社長は「国会の議論を経ずに告示ひとつでルールを変えるのは、法治国家としておかしいのではないか」と述べ、行政手続きの正当性を問う姿勢を示している。ただし、楽天グループが運営する「楽天ふるさと納税」では10月からポイント付与ルールを変更。寄付に対してのポイント付与をやめるが、カード決済に伴うポイントは引き続き付与する。
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<タックスワンポイント>
個人の資産 売却損の相殺は年またぎも可能 所得税と住民税の税務処理
個人が資産を売って売却益が出ると所得税や住民税がかかる。ただし、同一年内にほかの売却で損を出せば、売却益と売却損を相殺して、売却損の方が多ければ税金はかからない。
売却によって出た損益の金額は、「売却代金-(取得費+売却費用)」で計算する。取得費は資産の購入代金や取得に際してかかった費用だ。購入時より安く売れば税金はかからないと一方的に決めつけてしまう人もいるが、そういうわけではない。また売却する不動産が相続や贈与で取得したものなら、もともとの被相続人や贈与をした者の取得費を引き継ぐことになる。土地や建物の取得費が不明なら、売却代金の5%とすることも可能だ。
さらに同じ年に2つ以上の不動産を売った場合は、不動産ごとに売却損益を計算することになる。売却益と売却損が出れば両者を相殺して、売却益の方が多ければ相殺後の金額に税率をかける。所有期間が5年以下の売却損(益)と5年超の売却益(損)も相殺できるので、くれぐれも見落としのないようにしたい。