Vol.0808
<タックスニュース>
国税庁 有識者会議が初会合 非上場株、評価ルール見直しへ
国税庁は4月20日、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の初会合を開いた。この有識者会議は、会計検査院から指摘を受けたことを踏まえて設置されたもの。取引相場のない株式の相続税評価について、相続税法の時価主義のもとで適正な評価制度のあり方を検討するとしている。抜本的に見直されることになれば、現行の評価ルールを定めた1964年以来の大幅な改正となる。有識者会議では27年度税制改正大綱に反映させることを目指して、議論を進めていくものとみられる。
被相続人の財産は「時価」で評価することが相続税法で定められている。しかし、非上場株は取引相場がないため、国税庁では「財産評価基本通達」というルールを設けて評価額を算定している。だが、配当や決算期を調整したり、故意に「赤字化」したりするなどの手法で意図的に評価額を下げ、税負担を過度に軽減しているとみられるケースがある。
24年11月の会計検査院の検査報告では、①各評価方式の間で評価額に乖離が生じていること②類似業種比準価額を適用する割合が高い規模の大きな会社ほど株式の評価額が相対的に低く算定されること③配当還元方式の還元率が近年の金利の水準と比べて相対的に高い率となっているおそれがあること――などが示され、評価制度のあり方について「異なる規模の会社間での公平性や社会経済の変化を考慮し、より適切なものとなるよう検討を行っていくことが肝要」と指摘されていた。会計検査院は、評価方式によって評価額に4倍の差が出るケースもあると指摘。「評価の公平性が必ずしも確保されているとはいえない」として、国税庁に見直しを求めていた。
有識者会議では、非上場株の評価を適正にすることを念頭に議論される見通し。だが、大規模非上場企業の株式評価額が上がる方向で議論が進めば、一部で相続税の負担が増す可能性もある。
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<タックスワンポイント>
相続税の納付 不動産の売却と物納の税務
日本の相続財産の約3割強は不動産が占める。最新の国税庁統計(令和6年分)では、現金・預貯金の34.9%に対し、土地は30.2%、家屋は4.8%となっており、すぐ換金できない不動産が、納税資金の確保を難しくする要因となっているのは確かだろう。相続財産の大半が不動産である場合、納税資金の確保が難しければ不動産そのものを納める物納を選べる可能性があるが、物納するケースと不動産を売却して納税するケースでは、税務上の扱いが大きく異なる。
まず、物納は所得税法上の「譲渡」とみなされないため、売却時のような譲渡所得税がかからないという利点がある。一方、価額は、おおむね時価の8割程度とされる相続税評価額が基準となるため、市場価格が高い地域では、売却して税金を払った方が手残りは多くなりやすいという特徴がある。
そもそも前提として、物納はあくまで「最後の手段」だ。相続税法では、延納によっても金銭納付が困難な場合に限り、物納を認めるとしており、任意に選べるわけではない。また、物納申請には測量図の整備など厳格な条件が課され、税務署による審査期間も長期間を要するケースがあることも覚えておきたい。
