Vol.0781
<タックスニュース>
国税庁「マイナンバーカード方式」を推奨 e-Taxの「ID・パスワード」新規発行停止
国税庁は9月25日、e-Taxを利用して申告する納税者に付与していた「ID・パスワード」の新規発行を停止すると告示した。マイナンバーカードによるe-Taxの利用を促進する観点から10月1日以降、新たにe-Taxで申告する納税者には「マイナンバーカード方式」を案内することとし、「ID・パスワード方式」で使用するID・パスワードについては新規発行を停止することとした。
同庁サイトの「確定申告書等作成コーナー」から、e-Taxを利用して税務申告する際の主な方法としては、①マイナンバーカード等を利用した「マイナンバーカード方式」②税務署が本人確認を行ったうえで発行するIDとパスワードを利用した「ID・パスワード方式」――がある。ID・パスワード方式は、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応として運用してきたものだが、マイナンバーカードの保有率が約8割に達し「マイナンバーカード方式」を利用する納税者が増加している状況から、10月1日以降は新規の発行を停止することとした。
政府が6月13日に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、「マイナポータルとe-Taxの連携をさらに充実させ、『書かない確定申告』の実現を図るべく、その前提となるマイナンバーカードを用いたe-Taxの推進のため、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的なe-Tax促進策である『ID・パスワードによる申告』について、その廃止を含めた在り方を検討し、2025年度中に結論を得る」こととされていた。
ただし、現在すでに「ID・パスワード方式」の届出をしている納税者は、今後も引き続き「ID・パスワード方式」を利用できる。なお同庁では、「今後の『ID・パスワード方式』に関する対応については改めてご案内することを予定しています」としている。
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<タックスワンポイント>
海外資産の贈与 税金と為替の関係 円高のタイミングが財産の渡しどき
国外財産の贈与を受け、日本で贈与税を申告する場合、その財産を円に換算して課税額を計算する。円安の時期は国外の通貨の評価が高くなるので、税金面から考えればそのタイミングで贈与を受けるのは賢明とはいえない。
例えば500万ドルの別荘を贈与されるとして、1ドル120円なら6億円で評価されるところ、円安で1ドル140円のときに贈与されれば7億円になってしまう。逆に円高で1ドル100円なら5億円と、大きな差が出ることになる。「海外資産の贈与は円高の時に行え」との考え方を覚えておきたい。為替変動の激しい時代だけに、資産形成に大きな影響を与えるだろう。しかしながら昨今の円安傾向は、贈与のタイミングを一段と難しくしている事は間違いない。
ちなみに海外資産の円換算には、一般的に金融機関が外貨を円に両替するときのレートを使う。