タックスニュース

Vol.0796

<タックスニュース>
CRS
で富裕層の海外資産を把握  17兆円分の口座情報が筒抜けに

 国税庁はこのほど、2024事務年度(24年7月~25年6月)の「租税条約等に基づく各国との情報交換事績」を公表した。「CRS(共通報告基準)」で外国の税務当局から年間2745374件の非居住者金融口座情報を受け取った一方で、国税庁からは328034件の口座情報を提供した。受け取った金融口座情報件数は過去最多。個人投資家の海外資産や企業の海外取引が増加するなかで、国際的な租税回避行為や資産隠しへの対応が各国で課題となっている。このため、国税庁は外国の税務当局との連携を強化している。
 事績によると、国税当局がCRSに基づいて、24年7月からの1年間で外国から受け取った口座情報は2745374件。このうち個人口座が約272万件で残高は約9.6兆円、法人口座が約3万件で残高は約8.1兆円だった。合計すると1年間で17.7兆円分もの口座情報を海外から入手していることになる。
 一方、国税庁が外国の税務当局へ提供した口座情報は328034件。このうち個人口座が約31万件で残高は約1.3兆円、法人口座が約2万件で残高は約6.7兆円だった。口座情報の受領・提供件数ともに、アジア・大洋州の国と地域が最大の交換相手で、全体の約7割を占めている。
 また、国税庁は「法定調書情報の自動的情報交換」の制度も活用し、日本人の海外資産の情報を取り寄せている。海外で利子、配当、不動産賃借料、知的財産使用料、給与、報酬、株式のキャピタルゲインなどの収入があった場合には、当該国で法定調書に記載して申告する必要がある。この制度では、法定調書情報が当該国の税務当局から国税庁へ自動的に送付される。国税庁は送られてきた法定調書情報をもとに、国内での申告内容と突き合わせて内容に誤りや虚偽が含まれていないかをチェックしている。24事務年度には、この制度によって126928件の非居住者情報を受け取り、92649件の情報を外国税務当局に提供した。
 国内で入手できる情報だけでは事実関係を突き止めきれない場合、必要な情報の収集・提供を外国の税務当局に要請することもある。こうした要請に応じるかたちで決算書、契約書、インボイス(送り状)、銀行預金口座取引明細書などが外国の税務当局から国税庁に寄せられる。外国当局の調査官が直接、取引担当者にヒアリングして得た情報などもあるという。24事務年度には、国税庁は505件の情報提供を要請し、外国税務当局からは326件の要請を受けた。

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<タックスワンポイント>
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万円未満の資産  一括償却と少額償却の違い 

 一つは「一括償却資産」。20万円未満の資産を対象に、法定耐用年数にかかわらず3年間で均等償却できる制度だ。一括償却資産のメリットは、月割計算が不要な点と、償却資産税の課税対象外となる点にある。年度末に駆け込みで購入しても、1年分(3分の1)を費用化できるため、非常に効率的だ。
 もう一つは「少額減価償却資産の特例」。青色申告を行う中小企業者等に限り、30万円未満の資産を、取得した年度に全額損金算入できる仕組みだ。大きな節税効果が期待できるが、年間の合計限度額は300万円までとなる点に注意したい。また、こちらは一括償却とは異なり、原則として償却資産税の対象となる。
 両制度のどちらを採用するかは選べるため、利益が出ている年度に即座に費用化したいなら少額減価償却資産の特例、償却資産税を抑えつつ安定的に費用化したいなら一括償却といった使い分けが肝要だろう。
 なお少額減価償却資産の「30万円未満」基準は、最新の2026年度税制改正で見直され、「40万円未満」に引き上げられる予定だ。より使いやすくなるが、年間の合計限度額は300万円のままであることを覚えておきたい。

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