<タックスニュース>

金融庁長官に井藤氏  「資産所得倍増」政策を加速

 7月5日付で金融庁長官に井藤英樹企画市場局長が昇格した。栗田照久長官は就任から1年での退任となった。首相肝煎りの「資産所得倍増」を加速的に推進していくため、マーケット活性化に向けた政策立案の司令塔だった企画市場局長を長官に据える。今回のトップ人事の背景には、NISAなど金融商品の積極的な普及・浸透に取り組む“強力布陣”とする狙いがあるとみられる。井藤英樹(いとう・ひでき)氏は昭和39年生まれの59歳。岡山県出身、東大法卒。昭和63年大蔵省入省、平成6年国税庁札幌国税局旭川東税務署長、同18年財務省大臣官房 文書課広報室長、同24年金融庁監督局銀行第二課長、同27年総務企画局政策課長、令和2年総合政策局政策立案総括審議官、同4年企画市場局長、同6年7月金融庁長官就任。

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<タックスワンポイント>

優先的に物納できる登録美術品制度  相続税の特例 国宝級であれば…

 相続税を納めたくても手元に現金がなければ、納税を先延ばしにする「延納」か、延納でも納税が困難なら金銭の代わりにモノで納税する「物納」の適用が可能だ。物納には財産ごとに優先順位があり、不動産、証券、株式が上位で、動産はそれらの財産がない時に限り物納が可能となる。ただし例外として、動産でも「登録美術品」に限っては最優先で物納することができる。登録美術品制度は、重要文化財や国宝のほか世界的に優れた美術品を国が登録する制度で、登録された作品は国が指定した美術館で公開される。相続財産の中に登録美術品があれば、ほかの美術品と異なり、国債や不動産と同じ順位で物納できる。ただし相続が発生してから登録申請するのでは、物納の優遇制度は適用できず、生前に登録を受けていなければならない。ちなみに美術館で公開中の登録美術品には、クロード・モネの絵画「ルエルの眺め」(埼玉県立近代美術館)、ウジェーヌ・ブーダンの絵画「ノルマンディーの風景」(同)、米原雲海の彫刻「清宵」(東京国立近代美術館)などがある。いずれも国宝級のものばかりで、数十万円で購入したような美術品では登録は不可能のようだ。

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