タックスニュース

Vol.0803

<タックスニュース>
一時的非居住者の株式譲渡損失繰越控除  名古屋局申告書の提出可能と文書回答

 名古屋国税局はこのほど、一時的に非居住者となったひとの株式譲渡損失の繰越控除に関する照会に対し、回答文書「非居住者となった場合の上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用について(恒久的施設を有しない非居住者であった期間における損失申告書の提出の可否)」で見解を示した。「恒久的施設を有しない非居住者」である期間についても「損失申告書」を提出できるとしたうえで、譲渡損失の繰越控除の適用条件を満たすことが可能だとする照会者の解釈を認めている。
 照会者は、日本で働いていた年の株式の譲渡損失について、翌年以降に繰越控除の適用を受ける目的で確定申告書を提出。損失発生の翌年(2年目)、外国法人に勤務するために年の途中から「恒久的施設を有しない非居住者」となり、その次の年(3年目)は1年を通して「恒久的施設を有しない非居住者」となった。その翌年(4年目)、帰国して「居住者」に戻っている。
 上場株式の譲渡損失の繰越控除は、居住者または恒久的施設を有する非居住者が、①上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、②その後において連続して確定申告書を提出している(連年提出要件)――という条件を満たすことで適用できる。照会者は2年目には国内源泉所得があるため、譲渡損失を翌年以降に繰り越す旨の確定申告書を提出した。だが3年目には国内源泉所得がなく、確定申告や還付申告の対象とならない。
 こうしたケースでは租税特別措置法(第37条の12の2第9項)の規定に基づいて「損失申告書」を提出できる。また、それによって繰越控除の「連年提出要件」(前記②)を満たすことが可能となる。だが同項には「居住者又は恒久的施設を有する非居住者」と記載されており、「恒久的施設を有しない非居住者」には言及されていないため、損失申告書提出の可否が不明確だった。
 同項についての照会者の解釈は、「居住者又は恒久的施設を有する非居住者」との記載はあくまでも「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受ける年」の要件だとするもの。「恒久的施設を有しない非居住者」である3年目には損失申告書の提出が可能で、繰越控除を適用する4年目には居住者であるため、同項の規定に合致するものと解釈していた。
 この解釈について照会を受けた国税当局は「ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません」と回答。「恒久的施設を有しない非居住者」である期間も損失申告書の提出が可能であるとした。

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<タックスワンポイント>
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年以内の2度の不幸に救済  「相次相続控除」とは?

 父が亡くなり、その相続手続きが終わった矢先に母も――。このように身内の不幸が続いた場合、短期間に同じ財産へ二度も相続税がかかる「二重課税」の状態は、残された家族にとってあまりに酷だ。この負担を調整するために、「相次相続控除」という仕組みがある。
 相次相続控除は、前回の相続(1次相続)から今回の相続(2次相続)までの期間が「10年以内」であれば適用できるもの。仕組みはシンプルで、1次相続で課された税金のうち、一定額を今回の相続税から差し引くことができる。控除額は2回の相続の間隔が短いほど大きく、1年経過するごとに10%ずつ減額され、10年でゼロになる。例えば、1年後であれば1次相続の税額相当分の90%が控除対象となる計算だ。
 注意したいのは、申告が要件である点だ。自動的に計算され、税額が軽減されるわけではなく、申告書への記載と計算明細の添付が必須となる。また1次相続で、相続税の配偶者控除を使って納税額がゼロだった場合は、控除の元となる税金がないため適用できない。
 悲しみの連鎖のなかでも、過去の申告書を確認し、いつ誰がいくら払ったかを照らし合わせることが、遺族の手元に残される財産を増やすことにつながると覚えておきたい。

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