<タックスニュース>

経団連 外形標準課税の拡大容認  「中小企業は適用対象外」が条件

 経団連は9月19日、地方法人課税の見直しに関する総務省の有識者検討会で、法人事業税のうち赤字法人にも課税する外形標準課税について、中小企業を適用対象としないことなどを条件に、課税拡大を容認する考えを表明した。政府・与党は法人実効税率(標準税率34.62%)の引き下げ財源の筆頭候補として、年末の税制改正に向けて具体策を詰める方針だ。
 外形標準課税は、従業員の給与や賃料などに応じて課税する仕組みで、資本金1億円超の企業を対象に導入されている。総務省は8月、外形標準課税を来年度から2倍以上に拡大する案を自民党税制調査会に提示。外形標準課税の税収を増やす一方、所得への課税を減らすことで、黒字法人の競争力強化につながると説明している。
 経団連は9月10日、来年度税制改正に関する提言で「外形標準課税の安易な拡大はすべきでない」と表明。しかし、経団連の阿部泰久常務理事は検討会で「単に反対と言っている訳ではなく、安易ではない仕組みを考えていただきたい」と要請した。その上で、課税強化の条件として、①業績の伸びに応じて給与を増やしても税額が増えない仕組みの導入②段階的な拡大③資本金1億円以下の中小企業への適用見送り―の3点を求めた。
 阿部氏が特に強調したのは賃上げとの関係で、「政府の要請で賃上げしている。上げた分に税金をかけられるのは非常に違和感がある」と説明。一方、総務省は「外形標準課税の拡大が雇用に影響するというのは誤解だ」としており、年末の税制改正ではこの点が焦点となりそうだ。

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<タックスワンポイント>

子育て支援費用で財産圧縮  二世帯住宅新築で税優遇

 教育資金一括贈与は、子や孫に入学金や学費などの教育資金を捻出する際に一人当たり1500万円(学校以外は500万円)までは非課税となる制度だ。現在、同制度の非課税措置の期間延長に向けた動きもあるなかで、さらに子育て支援の位置づけとして、結婚や妊娠、出産などの子育てに関連した資金提供についても一定額を非課税とする制度創設が検討されている。
 高齢者が子や孫に資産を円滑に移転することで、効果的に相続税対策を行えるという一方で、今度は子育て世代が経済的な支援を得ることで少子化対策にもなるというのだ。
 また内閣府は、平成27年度税制改正要望に二世帯同居や親世帯の近くに住む場合の税制上の軽減措置を求めている。親や祖父母世帯に育児の協力をしてもらうことで、子育て世代の育児の不安や経済的な負担を軽減することが目的だ。要望している軽減措置は、二世帯同居するために新築や住宅取得した場合の固定資産税の軽減や、二世帯同居に伴って住宅の譲渡や買い換えを行った際の特例措置の拡充などだ。

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