<タックスニュース>

ビットコイン購入時の消費税を非課税に  2017年春に適用の方針

 ビットコインなどの仮想通貨について、財務省と金融庁が購入時にかかる消費税を非課税とする方向で検討している。事業者の事務手続きが軽減され、利用者が購入する際の価格が下がる可能性もあることから、国内での普及を後押しとなることが期待される。年末の税制改正大綱に向けて議論を進めて決定し、2017年春にも適用する見通しだ。
 仮想通貨は硬貨などの形を持たずネット上で取引される。最も普及しているビットコインの時価総額は世界中で約100億ドル(約1兆円)に上る。送金手数料などが割安なことから今後の利用拡大が期待されている。
 現行の消費税法ではビットコインなどの仮想通貨は取引所で購入する際に8%の消費税がかかっている。業界団体からは「海外での購入に比べて割高になる可能性がある。消費税があることが普及の妨げになっている」として、非課税にするよう要望が出ていた。
 今年5月に成立した改正資金決済法では、仮想通貨をプリペイドカードなどと同様に決済手段として使える「財産的価値」と定義。金融庁は17年度税制改正要望で、仮想通貨の消費税法上の扱いについて整理するよう求めており、財務省は非課税にする方向で検討を進めている。
 非課税となれば、購入時にこれまで上乗せされていた消費税分の価格が下がる可能性もある。また、事業者の納税手続きも簡略化されるため、ビットコインの普及に弾みがつく可能性がある。仮想通貨については「現行の制度は新しい技術である仮想通貨の存在を想定していない。担保と見なせるのかなど、今後もさまざまな制度上の整理が必要になる」(関係者)との指摘が多く、今後もさまざまな制度改正が必要となりそうだ。


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<タックスワンポイント>

個人事業主を配偶者がサポート  使える所得控除

 小売業を営んでいた個人事業主Aさん(白色申告者)が、昨年9月に法人組織に変更したとする。Aさんの妻は法人組織に変更するまでは一緒に仕事をしていたが、法人成りして以降は事業に従事していないため、法人からの給与の支払いはなかった。Aさんが受けられる所得控除にはどのようなものがあるだろうか。
 白色申告をしている人が、生計をともにする配偶者に1年のうち6カ月を超えて仕事を手伝ってもらっているときは、(1)事業専従者が配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円、(2)(事業所得の金額+不動産所得の金額+山林所得の金額)÷(事業専従者の数+1)――のうち、いずれか低い金額を必要経費として所得から控除(事業専従者控除)できる。なお、青色申告をしている人であれば、事業所得の計算時に配偶者への給与分を必要経費として控除することが可能だ。
 事業専従者控除を利用すると、配偶者がいれば所得から38万円(70歳以上の老人控除対象配偶者がいれば48万円)を差し引ける「配偶者控除」や、扶養親族がいれば38万~63万円を差し引ける「扶養控除」は併用できない。Aさんの妻は6カ月を超える期間、仕事に従事していたので、Aさんは事業専従者控除を利用できるが、重ねて配偶者控除を受けることはできないので注意したい。

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