<タックスニュース>

カジノ導入構想で税制を整備  マイナンバーと勝ち負けを紐付け

 国内への導入に向けた検討が進んでいる統合型リゾート(IR)について、政府・与党はカジノ関連の税制を2020年度税制改正で整備する方針を固めた。カジノでの勝ち分を一時所得として取り扱い、それぞれのマイナンバーと紐付けて所得を捕捉する狙いだ。
 与党案によれば、カジノでの勝ち分は、競馬など他の公営ギャンブルと同じく「一時所得」に該当する。ただし、競馬などではハズレ馬券の金額にかかわらず当選金の全額が所得となるが、カジノでは購入したチップと獲得したチップの差額分のみを所得として扱うという。
 IR実施法では、カジノの入場時にマイナンバーカードを利用して本人確認することを義務付けている。これを利用して、利用者ごとに購入したチップの枚数と、最終的に換金したチップの枚数との差を利用者の所得として扱う考えだ。さらに個々のゲームの勝ち負けも記録し、所得を減らすために場内で別の人間にチップを渡すなどの税逃れをできないようにする。
 また訪日外国人客については、出国後の徴収が難しくなるため、源泉徴収の仕組みを設ける方針だ。これらの勝敗記録の管理や源泉徴収などは事業者の負担となるため、一部の議員からは慎重な声も上がっているという。

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<タックスワンポイント>

住宅資金贈与の引き渡し日の注意点  年末までには住み始めるべし

 子どもや孫のマイホーム資金を援助するときは、一定額の贈与まで税金がかからない「住宅資金の一括贈与の非課税制度」を利用したい。
 同特例では、資金を贈与した翌年の3月15日までに物件の引き渡しを済ませて、子や孫が新居に住み始めることが条件となっている。しかし分譲マンションや建売住宅では建築工事の終了を待たずに契約だけを先に済ませてしまうことがほとんどだ。工事が長引いたなどの理由で引き渡しが予定より遅れ、入居が3月15日に間に合わないこともあるかもしれない。
 そんなときには、先に非課税特例の申告だけを済ませておけば、その年のうちに実際に住み始めることができたら非課税特例の適用を受けることは可能だ。ただし入居が年末に間に合わなければ特例の対象から外れてしまい、修正申告が必要となる点に気を付けたい。
 消費税の増税を受けて、同特例の適用を受けられる贈与額の上限が1500万円から3000万円に倍増している。非課税の恩恵が大きいからこそ、入居日が遅れて適用を受けられなくなることがないようにしたい。

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