<タックスニュース>

新政府税調ついに誕生??「税制の透明化」全速力で

 政府は9月29日、新たな政府税制調査会の設置を閣議決定し、新税調が同日発足した。新税調の会長には藤井裕久財務相が就任。予算の大方針をまとめる国家戦略室の菅直人担当相と、地方税を所管する原口一博総務相が会長代行となる。税調の運営や、重要事項を取りまとめるインナーに当たる存在として内部に企画委員会を設置。トップの主査には税や金融の政策通として知られる峰崎直樹副財務相が就く態勢だ。
 民主党が目指す新税調の眼目は、「政府主導の透明な税制改正」。自民党時代に税制改正を主導したのは党税調で、なかでも少数の幹部議員が圧倒的な力を持ってきた。しかしこうした党税調の幹部議員は決定の当事者にもかかわらず、税法改正をめぐる国会での論戦で質問への答弁に立つこともない。国会で追及されることもなく、結果的に業界の声や利害を反映した「不透明な税制」(藤井財務相)をもたらしてきた。
 民主党は新税調の発足と同時に党税調を廃止し、政府に税制改正の権限を一元化させた。税調のメンバーには、各省庁の副大臣が就任する。第1回の開催は10月8日になる見通し。税調の実務面を取り仕切る峰崎副財務相は「週2回程度の開催で、猛スピードで年末の税制改正を間に合わせたい」と話している。

<タックスワンポイント>

エコカー補助金 法人なら圧縮記帳もできる

 政府の経済危機対策として実施された「環境対応車への買換え、購入に対する補助金」制度。車齢13年を超える自動車を廃車にし、平成22年度燃費基準達成車へと買い換えた場合には25万円、一定基準以上の環境性能を備えた自動車を新たに購入した場合には10万円の補助金が受けられる制度だ。同21年4月10日から同22年3月31日までに新車登録された自動車が対象となる。
 個人ならば交付された補助金は一般的に「一時所得」になると考えられる。ただし、今回の補助金は国の「環境対応車普及促進対策補助金」として交付されるもの。そのため、「国庫補助金等の総収入金額不算入の規定」の適用を受けられ、同補助金については所得金額の計算上、総収入金額に算入しなくてよい。
 また、法人の場合は原則として総収入金額に算入する。しかし、同補助金では「国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入」の規定を適用することが可能。この適用により、購入した環境対応車の帳簿価額を圧縮記帳することができる。つまり、購入した環境対応車の帳簿価額を交付された補助金額分だけ減額し、その減額した金額はその事業年度の損金に算入できる。
 ただし、これらの規定の適用を受けるには、個人、法人ともに、確定申告書に一定の記載を行うなど、いくつかの手続きが必要となることに注意したい。

税理士法人早川・平会計