Vol.0069号
<タックスニュース>
証券・保険に連結ベースの規制 破たん防止で金商法改正
政府は金融商品取引法を改正し、証券会社や保険会社に対し連結ベースの規制・監督を導入する。証券会社の親会社も同庁の行政処分の対象に加え、証券子会社を悪用する株主を排除できる仕組みも盛り込んだ。市場を通さず相対で取引するデリバティブ(金融派生商品)取引の決済を清算機関に集中させる。
2008年秋のリーマンショックに端を発する金融危機では、グループ企業の財務問題が本体に波及し、グループ全体の経営危機につながる事例があったことから、再発防止のため連結自己資本規制を導入する。金融危機時などに証券会社や保険会社の健全性を維持できるよう、親会社が経営支援する責任を明確にする狙いがある。
証券会社は連結ベースの自己資本規制を導入する。総資産の額が1兆円もしくは5千億円以上の証券会社が対象となる見通し。証券子会社を持つメーカーや商社なども金融庁による行政処分の対象になる。証券子会社の経営状況が悪化した際に適切に経営支援するよう求めたり、親会社の財務状況の悪化などで子会社の経営に悪影響が及びそうな場合に業務改善命令を発動できるようになる。
また、保険会社は財務健全性の指標となるソルベンシーマージン比率を連結ベースで算出することを義務付ける。すべての保険会社が対象だ。一方、デリバティブ取引の決済については、最も一般的なプレーン・バニラ型について清算を集中する。将来的にはほかの取引に拡大する可能性もある。
<タックスワンポイント>
仕事で転勤命令 帰省費用の非課税扱いも
1年で1番転勤が多い春がやってきた。社命ひとつで生活ががらりと変わる社員には、会社としても引っ越し費用の負担などで補助を行いたいもの。会社が費用負担した場合、給与として課税されないか気になるところだが、転勤にともない発生した引っ越し費用などは、通勤費などと同様に非課税となる。これは、本人だけでなく家族の費用も同様。ただし、あまりに高額なものは課税対象の可能性も。
一方、子どもの転校によって生じる入学金や、転居先で個人が借りた住宅の敷金・礼金などは、会社が負担すると給与扱いとなる。急な転勤でやむなくホテル暮らしとなる場合などは会社規定の手当を支払うこともあるが、これも住宅手当などと同様に給与として課税されてしまう。
家庭の事情によっては、家族を残し単身赴任という場合もある。こういった際に家族の元への帰省費用を会社で負担することもあるが、これも課税の対象。ただし、この帰省費用については、質疑応答事例により「単身赴任者が職務遂行上必要な旅行に付随して帰宅のための旅行を行った場合支給される旅費について」は、「職務遂行上必要な旅行と認められ、かつ、当該旅費の額が非課税とされる旅費の範囲を著しく逸脱しない限り非課税」という指針が示されている。
契約から受給開始までが1年という超スピード年金を扱う機関は限られているものの、富裕層の関心は高まる一方。節税狙いの契約の締め切りが目前に迫っているが、「意味がない」ことにならないよう、契約前にもう一度適用関係を確認しておきたい。