<タックスニュース>

11年度第4次補正予算が成立 二重ローン対策で5千億円

 東日本大震災の被災者の二重ローン対策などを盛り込んだ2011年度第4次補正予算が8日の参院本会議で可決、成立した。歳出規模は2兆5345億円で、11年度当初予算の国債費の使い残しや、税収上ぶれ分を財源として活用し、新規国債発行は回避した。
 ただし、与野党の一部からは「12年度当初予算の規模を目標内に抑えるため、補正を『抜け道』に使っており、財政規律の観点から問題がある」(自民党中堅議員)との指摘もある。政府が主張する景気下支えや震災復興の効果が、どこまで発揮できるかが問われそうだ。
 補正予算では、震災被災者の「二重ローン」対策で、金融機関から債権を買い取る「東日本大震災事業者再生支援機構」の資金調達のため、5千億円の保証枠を設定。さらに▽中小企業の資金繰り対策に7413億円▽一定の燃費基準などを満たす車の購入に最大10万円を補助する「エコカー補助金」に3千億円▽70歳~74歳の医療費の窓口負担を1割に据え置く経費など2719億円――を盛り込んだ。
 エコカー補助金は昨年12月20日に遡って適用され、1月の新車販売(軽自動車を除く)は前年同月比40.7%増と、1月で過去最高の伸び率を記録した。震災やタイ洪水の影響で販売低迷に苦しむ自動車業界からは「補助金効果と震災からの回復で(国内販売を)100万台は増やしたい」(日本自動車工業会の志賀俊之会長)と期待の声があがる。
 二重ローン対策で設立する支援機構は、政府保証を利用して資金を調達し、被災した個人商店や農漁業者らに対する債権を金融機関から買い取る。返済負担を軽減し、事業再建を後押しする効果が期待されている。

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<タックスワンポイント>

マイカー通勤者の通勤手当の取り扱い 片道15㎞以上の特例廃止

 マイカーや自転車で通勤している社員の給与に通勤手当を加算する場合、通勤距離に応じて一定限度額まで非課税になるが、平成23年度税制改正でこの非課税限度額が縮小されている。
 電車やバスなどの交通機関を利用している場合は、最高限度を10万円として、1カ月当たりの合理的な運賃・料金が非課税限度額になる。これに対してマイカー通勤者の非課税となる1カ月当たりの限度額は、片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さ)に応じて変わる。この限度額を超えて通勤手当を支給する場合は、超える部分の金額が給与として課税される。
 このマイカー通勤者の通勤手当の課税には昨年まで特例が設けられていた。具体的には、片道の通勤距離が15キロメートル以上の社員については、「電車・バスなどで通勤している」とみなしたときの通勤定期券1カ月当たりの金額が非課税限度額を超える場合、その金額を限度額とすることができた。利用できる交通機関がないときは、通勤距離に応じたJRの地方交通線の通勤定期券1カ月当たりの金額を運賃相当額として判定していた(10万円が限度)。
 しかし平成23年度税制改正でこの特例は廃止。これによって、例えば通勤距離が35~45キロメートルで運賃相当額が2万5千円だった場合、以前は2万5千円を非課税にすることができた。これが今回の改正で、2万900円までは非課税、残りの4千100円は給与として課税対象という取り扱いに変わった。

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