<タックスニュース>

消費増税で中小企業にしわ寄せ  民主党WT 価格転嫁のあり方検討

 消費税増税分の転嫁や価格表示のあり方を検討する民主党のワーキングチーム(WT)の初会合が16日開かれた。中小の下請け業者の中には、増税分を十分に価格に転嫁できないのではという懸念が根強い。民主党は経済団体の意見を踏まえて対策をとりまとめる方針で、中小企業の不安を解消できるような対策を打ち出せるか注目される。
 デフレが続く中、納入先の大手企業が増税後も小売価格を据え置き、増税分については、納入価格の値下げという形で下請け中小企業にしわ寄せがくる恐れがある。実際に1997年に消費税率を3%から5%に引き上げた際にも起こった事例だ。日本商工会議所の調査などでは、売上高1500万円以下の事業所の半数以上が、「増税分を全部転嫁できなかった」と回答している。
 政府は消費増税法案などで、中小事業者向けの相談窓口の設置▽下請け事業者が消費税分を価格転嫁することを、一方的に拒否するような不公正取引に対する取り締まり・監視強化などの対策を盛り込んだ。一方で、民間の価格決定権への介入にならないような配慮も必要だとの指摘もある。
 ただ、転嫁問題を放置すれば、結果的に消費税を支払えなくなる下請け中小企業が増えるという悪循環に陥りかねない。政府内では対策として補助金創設などの案も浮上しているが、「手厚い支援を行うと財政再建との整合性が取れなくなる」(民主党関係者)という課題に直面し、難しい対応を迫られそうだ。

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<タックスワンポイント>

「更正の請求」が拡大  法定申告期限から5年

 税法や通達の解釈はただでさえ難しいのに、税制改正によって取り扱いはコロコロと変わる。税務のプロである税理士でさえ、最新の税制を常に押さえておくのは一苦労だ。
 そんな難しい税の申告だけに、申告ミスはよくある話。ミスの種類にもいろいろあるが、当期の売上ではないのに当期の売上に計上した、当期の費用なのに当期の費用にしなかった、欠損金の繰越控除を行わなかった、資産の評価換えにより益金にできないものを益金にした――など、誤って税金を多く納め過ぎていたことに申告期限後に気づいた場合には、更正の請求をすることができる。
 更正の請求とは、申告誤りによって税金を多く納め過ぎていたり還付金が少な過ぎたりする場合に、税務署に対して「納め過ぎた税金を返して」と請求できる制度。更正の請求ができる期間は、かつては法定申告期限から1年とされていたが、昨年の改正で平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税からは5年に拡大している。
 また、更正の請求の対象範囲も拡大された。当初申告で、申告書に適用金額や控除額を記載した場合に限り認められる措置のうち、一定の措置についても更正の請求が受けられる。法人税関係では、「受取配当等の益金不算入」や「外国税額控除」など。
 なお、平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税で、更正の請求の期限を過ぎた課税期間についても、増額更正ができる期間内であれば、調査によりその内容の検討をして納めすぎの税金があると認められた場合には、減額更正が行われる場合もあるので諦めは禁物だ。

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