Vol.0201
<タックスニュース>
自民党税調 強力な決定権 再び掌握 中立性や透明性の確保が課題
第2次安倍晋三政権の発足で、税制の決定プロセスが大きく変わることになる。民主党政権で税制改正議論を実質的に主導していた政府税調は、各省庁の副大臣などを中心とした「決定機関」としての位置付けから、有識者を中心とした「諮問機関」的な位置付けに改められる。自民党は党税調が決定権を持つ09年の政権交代以前の体制に戻すが、税調の限られた幹部が重要方針を決定する仕組みは、中立性や透明性をどう確保するかが課題となる。
民主党政権は、政府税調と党税調が併存した自民党政権時代の仕組みを「政策決定の二重構造」と批判。意思決定機関を政府税調に一元化した。しかし、「党員の意見が反映されていない」と反発が出たため、野田政権で党税調を復活させた。
その結果、昨年の消費増税をめぐる議論では、「政権公約にない消費増税はおかしい」などと党内が反発。政府税調が党税調を抑えきれず、議論が二転三転するなど混乱を極めた。さらに政府税調も、副大臣が所管省庁の利害の代弁者となる側面が強かった。
自民党政権の党税調では、税制に精通した一部の幹部による非公式会議(インナー)が事実上の決定機関となる。インナーの決定には首相さえも意見出来ないほどの絶大な権限を持つ反面、「密室」で税制が決まることへの反論も根強い。自民党税調幹部はこうした批判に「各省の要求を最後に抑えるのは政治の世界。嫌われ者になるのが党税調の役割だ」としている。
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<タックスワンポイント>
銀行融資に一役 納税証明は4種類
銀行融資の申し込みをする際、決まって提出を求められる書類の一つに「納税証明書」がある。納税証明書とは、確定申告書を提出した場合の納付税額や所得金額、未納税額がないことなどを証明する書類。所轄税務署で交付を受ける。貸し手としては、当然、相手方の返済能力を求めるため、「きちんと納税しているきちんとした会社」であることを納税証明書によって客観的に証明する必要があるわけだ。「その3の2」(申告所得税と消費税及び地方消費税)や「その3の3」(法人税と消費税及び地方消費税)の証明もあるので要注意。提出を求められているのがどの納税証明なのか、十分確認しておく必要がある。
納税証明書の交付を受けるには、所轄税務署に本人(法人の場合は代表者)が納税証明書交付請求書を持参する。本人確認できるものと印鑑が必要。また代理人が持参する場合には、本人の委任状、代理人本人と確認できるものおよび印鑑が必要になる。郵送で請求することもできるが、この場合は、納税証明書交付請求書、手数料(収入印紙)、返信用封筒を同封して所轄税務署に送付する。
ちなみに、金融機関が納税証明書の提出を求める理由は前述の通り。このため、現時点で滞納額があるような場合は、当然融資を受けることは難しいということになる。
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