Vol.0223
<タックスニュース>
骨太の方針 消費税率引き上げは今秋に判断 「再生の10年」実現に三本の矢を推進
政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は6日、経済財政運営の基本方針「骨太の方針」の素案をまとめた。素案では、消費税率の引き上げに関して、今年秋に経済状況などを総合的に勘案して判断すると明記した。骨太の方針は14日に閣議決定される。
素案は「停滞の20年の反省に立ち、『再生の10年』の実現に向けた基本戦略」と説明したうえで「経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するという好循環を目指す」と強調した。
日本経済については「約20年間、総じて低い経済成長に甘んじてきた」と振り返り、再生の10年に向け「大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略の『三本の矢』を一体としてこれまでと次元の異なるレベルで強力に推進していく」と決意を示した。
今後10年間(2013年度から22年度)の平均で、国内総生産(GDP)の名目成長率3%程度、実質成長率2%程度の成長を実現し、10年代後半にはより高い成長の実現を目指すと説明した。
財政健全化に関しては、国と地方の基礎的財政収支で赤字の対GDP比の水準を15年度までに10年度(6・6%)から半減し、20年度までに黒字化する従来の目標を踏襲。21年度以降、国の経済規模に対する借金の水準を示す債務残高の対GDP比の安定的な引き下げを目指すことを掲げた。少子高齢化で膨らむ社会保障費も「聖域とはせず、見直しに取り組む」とした。
また、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)などの経済連携や国際金融に関する協議の場などを通じて、積極的に国際的なルールづくりを主導していくと明記した。
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<タックスワンポイント>
人件費水増しに綻び 生保節税が指標に
人件費水増しが生保でバレる――。養老保険のハーフタックスプランが、税務調査で思わぬ”成果”を挙げている。
ハーフタックスプランとは、会社を契約者、役員および従業員を被保険者とする養老保険契約。満期保険金受取人を会社、死亡保険金受取人を被保険者の遺族として加入することで、会社が支払う保険料の2分の1を損金扱いにすることができる。
この場合、満期保険金にかかる保険料は資産計上扱い。死亡保険金にかかる保険料は期間の経過に応じて損金に算入(法人税基本通達9-3-4(3))。満期の際は、満期保険金額と資産計上額の差額を雑収入として益金計上することになるが、全額を退職金として支払うことで損金に算入することができる。
税務署が注目しているのは、損金に算入している保険料。福利厚生費として損金算入扱いとする場合には全社員の平等加入が条件となるが、調査ではこの「平等加入」をクリアして保険料の半分を福利厚生費処理している会社について、人件費の水増しがないか入念な確認が行われるという。
生保節税といっても掛金を払わなければならないため、会社は実際の従業員数で加入する。人件費を水増しして計上している場合、保険加入数と従業員数にズレが生じるというわけ。
そもそもハーフタックスプランの福利厚生処理要件となる「平等加入」は、税務調査における重点チェックポイントだ。対象者の範囲や保障内容、加入期間、保険料などが入念に確認されており、こうした情報の蓄積が生んだ調査手法といえる。きちんと処理していれば何も恐れることはないが、「見られている」ことは認識しておく必要がある。
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