<タックスニュース>

法人実効税率引き下げ  首相「骨太の方針」への調整を指示

 政府・与党は、法人税の実効税率を来年度から引き下げる方針を固めた。政府が今月まとめる「骨太の方針」に明記する。安倍晋三首相は5月3日に首相官邸で自民党税制調査会の野田毅会長らと会談し、法人税改革の打ち出し方について甘利明経済再生担当相と調整を進めるよう指示した。今後は、税率の下げ幅や代替財源のあり方が焦点となる。
 自民党税調は3日、恒久財源の確保を前提に法人実効税率の引き下げを認める提言を了承。麻生太郎財務相も3日の記者会見で、来年度からの法人実効税率引き下げについて「責任ある代替財源がきちんと示されるのであれば別にいい」と容認する考えを示した。自民党税調と財務省はこれまで、法人減税に慎重だったが、首相の強い意欲を受けて条件付きながら譲った形だ。
 首相は野田氏らとの会談で、「(骨太方針での)表現について甘利氏とよく相談してやってほしい」と指示した。首相指示を受け、野田氏と甘利氏は骨太の方針の具体的な書きぶりの協議に移るが、代替財源の考え方を巡る両者の溝は深い。
 自民党税調がまとめた提言では、赤字・黒字に関係なく企業に負担を求める「外形標準課税(地方税)」など応益課税の強化を明記。安定財源が確保できた範囲内で減税を認めるとの考え方を示した。
 一方の甘利氏は、景気回復で上ぶれた法人税収を活用して大幅減税を打ち出したい構えで、3日の記者会見でも「成長の果実をさらなる成長に充てる思想は必ずどこかにある」と自民党税調をけん制。決着の仕方は依然不透明だ。

節税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ

<タックスワンポイント>

教育資金一括贈与で留学  現地の学校名に注意

 信託協会によると、平成26年3月末までの教育資金一括贈与での受託状況は、契約件数6万7037件、信託財産設定額の合計は4476億円で、制度開始から順調に推移しているようだ。
 同制度は、直系尊属から30歳未満の子や孫への教育資金の贈与について、1500万円(学校以外であれば500万円)まで非課税になる。教育資金を提供するという名目で、相続財産を圧縮できる有効な節税策となっている。
 留学費用については、支払い先が学校であれば1500万円枠に該当する。ただし、海外の学校の場合は、その国の学校教育制度に位置づけられている教育機関ということになる。そのため対象外となる語学学校などであれば500万円枠となる。また渡航費はどちらの枠にも原則対象外になるが、現在通っている学校のカリキュラムの一環として渡航するものであれば認められる。
 制度を利用するためには、支払い日、支払い先等が記載された領収書を金融機関に提出しなければならない。また支払い先の学校名に「junior highschool」「high school」「university」などの記載がない場合は、「海外の教育機関の確認書」というチェックシートを記入し別途提出する。なお様式は文科省のHPで公開されている。

相続、生前対策、事業承継のご相談は税理士法人早川・平会計までどうぞ

税理士法人早川・平会計