<タックスニュース>

預金口座に付番  マイナンバー利用範囲拡大へ

 政府は3月10日、マイナンバー改正法案を国会に提出した。これまで番号の利用が認められていた納税や年金受給といった行政手続きに加えて、銀行口座への付番や、医療分野での予防接種などにも活用できるようにする。これまで政府はマイナンバー制度について、「税・社会保障・災害対策分野」の限られた行政手続きについて利用するとしていたが、制度開始を待たずに早くも「改正」され、利用範囲が拡大されることになる。
 マイナンバーは、個人は12桁の番号、法人は13桁の番号を割り振って、税金と社会保障の情報を一元管理する制度。今年10月に番号の通知を始め、来年1月から制度の運用を開始する。
 改正法案では、2018年から預金者に対して、金融機関にマイナンバーを申告するよう求める。告知への法的義務はないが、「義務がなければ普及しないではないかという指摘は承知している」(麻生太郎財務相)と言うように、進捗状況を見て21年をめどに義務化することも検討する方針だ。
 医療分野では、予防接種やメタボ検診などの情報を番号で管理できるようにする。一元管理することで、引っ越した際などに接種記録などを市町村間で引き継ぎやすくなるという。
 政府はマイナンバーの利用範囲を拡大することで、行政事務の効率化や、税金・社会保険料の公平公正な徴収につながるとしているが、国による個人情報の監視が強まることや、企業の事務負担が増えることを懸念する声も出ている。

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<タックスワンポイント>

住宅エコポイントが再開  リフォームで最大45万円相当補助

 法令で定められた省エネ基準を満たす住宅を新築またはリフォームした場合にポイントが付与される住宅エコポイント制度が、「省エネ住宅エコポイント」と名称を変えて”復活”する。住宅ポイント制度を再開することで、消費増税後に落ち込んだ住宅市場を活性化することが政府の狙いだ。
 省エネ住宅エコポイントとは、省エネ性能を備えた住宅を新築またはリフォームした場合にポイント(1ポイント=1円)が発行され、商品交換や追加工事費などに充てることができる制度をいう。
 今回は、閣議決定された平成26年12月27日以降に契約し、28年3月31日までに着工する住宅が対象。だが、国土交通省によると「1月に閣議決定された補正予算案に計上された予算枠(805億円)に達した段階で締め切ることもある」という。
 付与されるポイントは、新築では1戸あたり30万ポイントと前回と同じだが、リフォームの場合は3千~12万ポイント(前回は2千~10万ポイント)とアップしている。ただし、リフォームは新築と違い、断熱性の窓や床の設置などの工事内容ごとに加算され、最大で30万ポイントとなる仕組みだ。さらに耐震改修をすれば15万ポイント上乗せされる。
 内容も拡充され、新築の分譲住宅が対象住宅に追加される。リフォームでは、省エネ機能を搭載した給湯機や節水型水栓などの設備も対象になった。またトイレや浴槽をリフォームする場合、従来では窓や床などにも断熱性を施すことが条件だったが、新制度では省エネ設備の改修だけでもポイント対象となる。
 気になるポイント交換だが、さまざまな事業者が省エネ商品を提供しており、家電製品とも交換が可能だ。たとえば、人気の家庭用ロボット掃除機や圧力IH炊飯ジャー、雨漏りタンクなどもある。
 ポイントが発行されるためには、発行申請や交換申請、完了報告などの一定の手続きを踏む必要がある。なお10日からポイント申請書の受け付けが開始されている。

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