<タックスニュース>

日本維新の会  「歳入庁」法案提出へ

日本維新の会は、税と社会保険料の徴収業務を担う「歳入庁」を創設する法案を、近く国会に提出する。行政手続きの効率化や国民の利便性向上を目指すという。次期衆院選の公約にも盛り込む方針だ。
 現行制度では、税については国税庁、社会保険料については日本年金機構が担当している徴収業務を一元化する。内閣府の外局として2025年度中に設置するという。
 徴収業務の一体化により、税に比べて徴収率が低い社会保険料の徴収率向上につなげるとしている。デジタル化によって業務効率化を図るほか、将来的には全国民の負担と受益に関するビッグデータを人工知能(AI)で分析し、最適な所得の再配分を実現するという。
 税と社会保険料を一元化して所管する「歳入庁」構想は、2000年代初頭の年金未納問題をきっかけに議論されるようになった。09年~12年の民主党政権下で導入に向けた検討が本格化し、「18年以降速やかに創設する」と盛り込んだ工程表まで公表されたが、自民党に政権が移ったことで立ち消えになった経緯がある。

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<タックスワンポイント>

その稼ぎは本当は誰のものか  税務署が目を光らせる「真実の権利者」

所得税法12条では、資産や事業から生じる所得を申告している「名義人」と別に、実質的な利益を得ている「真実の権利者」がいれば、所得はその権利者に帰属すると定めている。
 ある夫婦は、共有する不動産からの賃料収入を申告しなかった。建物の所有者は自分たちであっても賃貸契約は妻の父親名義で行われ、賃料についても父親の口座に振り込まれていたからだ。しかし国税当局は、賃料収入にかかる所得は夫婦に帰属しているとして、追徴課税を決定した。なぜなら複数あった賃貸不動産のうち、一部の賃料は父親名義の口座ではなく、夫婦の口座に直接振り込まれていた上に、建物の管理費や不動産の固定資産税も夫婦の口座から支払われていたという。
 さらに国税当局の調べによって、父親名義の口座の住所が途中で変更され、その変更届に記載された書名の筆跡は夫のものに似ていることが明らかにされた。しかもその口座から出金が頻繁に行われていた場所は、夫の勤務先に近いATMだった。
 所得の真実の権利者を突き止めようと、税務署は徹底的に調査する。名義だけ別人にして所得を分けるというような浅はかな手は通用しないと考えたほうが良さそうだ。

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