Vol.0728
<タックスニュース>
日本公認会計士協会 「税制改正意見書」公表
日本公認会計士協会(茂木哲也会長)はこのほど開催した常務理事会で「令和7年度税制改正意見書」を承認、公表した。意見書は税制の在り方に関する提言」と「令和7年度税制改正に関する個別意見」の二部構成となっている。第一部の「税制の在り方に関する提言では、社会的課題への対策について税制の観点から提言。第二部の「令和7年度税制改正に関する個別意見」は8項目からなる「政策意見」と、税制の個別規定に関する83項目の「個別税制に関する意見」に分けて意見表明している。重点項目としては、①起業家を多数輩出するための「人」への投資である教育資金の拡充、成長企業の担い手である高度人材の確保、スタートアップの成長促進を後押しする税制を構築すること、②昨今の急速な経済社会環境変化に伴う税法における金額基準等の見直し、③中小法人の画定基準を見直すこと、④取引相場のない株式等の評価について、⑤外国子会社合算税制における経済活動基準を我が国企業の経済活動の多様化に合わせて見直すこと。外国子会社合算税制における外国関係会社の所得の合算時期を「外国関係会社の事業年度終了の日から2か月を経過する日を含む事業年度」から「4か月を経過する日を含む事業年度」とすること――を掲げている。
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<タックスワンポイント>
高額納税者のふるさと納税 恩恵と注意点 返礼品にも税金はかかる
ふるさと納税は、高所得であればあるほど得をする。その理由は「寄付上限」の仕組みにある。同制度では、自分の住む地域以外に寄付をすると、手数料2千円を差し引いた残額が本来住んでいる土地に納めるべき住民税などから差し引かれる。差し引かれる額には上限があり、住民税のうち所得割額の20%を超えた寄付は、何の税優遇も受けられない純然たる寄付となってしまう。仮に寄付上限100万円の人が満額を寄付したとすると、99万8千円分は本来自分が納める税額から差し引かれることになる。この「2千円負担」は所得にかかわらず一律なため、2千円を引いた額が多い、つまり所得が多い人ほど税金と相殺できる額も多い。そして寄付金額の多寡を問わず寄付者の実質負担は2千円で変わらないが、寄付金額が高ければ高いほど「返礼品」の内容は豪華になる。これが高所得者こそがふるさと納税制度の恩恵を最大限に受け取れる理由だ。ただ高額納税者は、返礼品の税金に注意を払わなくてはいけない。ふるさと納税の返礼品は、所得税の対象となる。税金がかかる境界線は50万円で、受け取った返礼品の価値が50万円を超えるなら所得税が課される。
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