<タックスニュース>

仲間由紀恵さんは7000万円の稼ぎ  芸能界でも人気の軍用地投資

沖縄県出身の女優の仲間由紀恵さんが、地元沖縄の「軍用地投資」で約7000万円の収入を得ていると、週刊新潮が報じた。同じ沖縄出身の芸能人で現参院議員の今井絵理子氏も軍用地投資をしていることも報じられている。数多くの芸能人が手を出している「軍用地投資」は、相続対策として富裕層からも注目されている。
週刊新潮によれば、仲間さんは2007年に沖縄県浦添市の米軍基地キャンプ・キンザー内の北東部に位置する800平方メートルほどの土地を、所属する事務所と共同で購入した。キャンプ・キンザーは2年後からの返還が予定されていることから、浦添市が跡地利用のために昨年購入し、その際に仲間さんは約7000万円の売却益を得たという。
自衛隊や米軍の基地などが建つ「軍用地」は、すべてが国有地というわけではなく、一部は民間の法人や個人から借り上げて利用するという形をとっている。その際にはもちろん賃料が発生するので、それを目当てに軍用地をわざわざ購入する不動産オーナーも多い。
通常の賃貸アパートなどへの投資と比べた時に、軍用地を選ぶメリットとしては、空室リスクが存在せず確実に国から安定した賃料収入が得られること、そのため銀行からの担保評価が高くお金を借りやすいこと、賃料に当たる借地料が定期預金の金利の3倍前後のペースで上がり続けること、修繕・リフォームといった維持費がほとんどかからないことなどがある。また軍用地は通常の事業用地に比べて固定資産税評価額が低く計算されるルールがあるため、それを基に算出する相続税も大幅に抑えることができる点も人気の秘訣だ。
こう聞くと良いことずくめな気がするが、もちろん欠点もある。軍用地は国の防衛戦略によって成り立つだけに、将来的に日本や米国の政策変更によって返還される可能性を常にはらんでいる。返還後に大規模リゾート施設建設などの計画があるなら、今回の仲間さんのケースのように多額の売却益が見込めるが、そうでなければ「原っぱ」に戻ってしまう可能性もゼロではない。また単純に利回りだけを見ると、軍用地の表面利回りは平均2%前後と、通常の賃貸アパートにかなり見劣りするという短所もある。そして軍用地の面積は限られているため、既存のオーナーが手放したとしても、すぐ買い手がつき、なかなかオーナーになることが難しいということもあるだろう。
総じて利回りは低いものの安定性が高く、相続税対策として有効というのが、軍用地投資の特徴だ。将来の相続税対策を見込んだ長期保有を目指して、軍用地が売りに出るチャンスを狙っている投資家は少なくない。

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<タックスワンポイント>

長年貯めたへそくりが相続税の対象に  配偶者控除は申告が前提

結婚後ずっと収入がない妻の名義となっている高額な預金が「名義預金」と判断され、実質的に夫の財産だったとして相続税がかかることがある。これはへそくりについても同様に考えてよい。夫に先立たれた専業主婦が、コツコツ貯めたへそくりを生活費に充てようとしたところ、税務署から待ったがかかってしまう可能性はゼロではない。
性善説に立てば、コツコツと貯めた妻の資産であるが、当局からすれば、亡き夫が将来の相続税の軽減を意図してあらかじめ妻名義の口座へ振り込んでいたと考えることもできる。夫の稼いだ財産を妻が勝手に自分の名義の口座に隠していたという仮説も成り立つだろう。
仮に夫とのあいだで「余った生活費は君が自由に使っていいよ」という口約束があったとしても、それだけをもって妻の財産と認めさせるのは難しい。同様に子ども名義の預金であっても、年齢の割に高額であれば、やはり名義預金とされる可能性が高いといえる。
こうした税負担を避けるには、やはり適正に贈与契約を結んで贈与を実行していることが望ましい。正当な贈与であれば、年間110万円までなら課税されることはない。ここでいう「正当な」とは、贈与契約書を作成することだけではなく、贈与後はお金をもらった者が預金通帳、銀行印、キャッシュカードを管理して、お金を独自に運用しているなど、名義だけではなく実質的にお金をもらった者にその財産が管理、運用されている状態になっていることだ。
なお相続税では、1億6000万円までの配偶者控除が認められている。だからといって、へそくりを含めた財産がそれ以下だと何の対策もしない人がいるが、この配偶者控除はあくまでも申告書を提出することが前提であることを忘れないようにしたい。

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