タックスニュース

Vol.0812

<タックスニュース>
固定資産税の課税ミス  今年も各地で相次ぐ

 所有する土地・建物にかかる固定資産税の納付時期には、全国各地の自治体で過大徴収、過少徴収、誤徴収、課税漏れなどのミスが相次いで発覚する。主要な地方税のひとつである固定資産税は、納税者側が計算して納付する申告納税制ではなく、自治体側が税額を決定する「賦課税」。全員が税金のプロである国税当局の税務職員とは違い、地方税を課税・徴収する自治体の職員は、その多くが一般的な地方公務員で、決して税金の専門官ではない。今年、これまでに報告されている主なミスについて振り返ってみる。
 福井県永平寺町では、分譲マンションの土地部分の固定資産税が正しく課税されていなかった。納税者から問い合わせがあり発覚した。過少に課税していたもので、86人の納税者に合計115500円の追加課税が発生した。町では納税者に「固定資産税更正決定通知書」を送付して追加納付を求める方針。本来課税対象とするべき分譲マンションの土地部分がシステムの不備で課税対象外として処理されており、税額が過少に算定されていたことが判明したという。昨年11月に行われた全国統一的な固定資産税システムの入れ替え作業で新システムへデータ移行する際、事務組合や委託業者らが新旧システムの比較検証作業を適正に行わなかったことが原因だとしている。
 福井県大野市では、19632000年に建築された鉄骨造の家屋32棟で固定資産税と都市計画税を過大徴収していた。判明している過大徴収の期間は最長60年で、木造家屋や01年以降に建築された家屋で過大徴収は確認されていないという。構造を「鉄骨造」ではなく「鉄骨鉄筋コンクリート造」に区分し、誤った補正率を適用したため本来より高い評価額になっていたことが原因。家屋の所有者から「不動産登記簿上の構造と課税台帳上の構造が違う」という問い合わせがあり発覚した。市では「固定資産税等過誤納返還金交付要綱」に基づいて直近20年間分を還付する方針だとしている。
 熊本市では、固定資産税の納税額や納税者の氏名を記した文書を別人に発送するミスが発生している。合計147871件に誤送付した可能性があるという。納税者の領収書を別人向けの通知書と切り離さないまま発送していた。他人の領収書を受け取った納税者からの連絡で発覚したという。業務委託先の事業者の、機械の不具合が原因である可能性が高いとしている。この事業者では、作業員が目視で検品する対応はとっていなかったという。
 香川県綾川町でも固定資産税の課税ミスが発生している。25年度に新システムへデータを移行した際、本来課税していない都市計画税に関する処理が一部で有効になり、それを参照して固定資産税が非課税として処理されていた。対象者は18人で課税漏れ額は合計約74万円。納税者からの問い合わせで判明したという。
 山口県光市でも固定資産税の納税通知書を誤って別人に送付するミスがあった。受け取った納税者からの連絡で発覚した。誤送付されたのは納税者名や納税額などの個人情報が記載された納税通知書。封入業務を委託していた事業者の確認作業が不十分だったことが原因だとしている。

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<タックスワンポイント>
少額資産の特例  全額損金にしたのに税金?

 中小企業に最も身近な法人税の特例の一つに、「少額減価償却資産の特例」がある。1組40万円未満の償却資産を年間300万円まで損金算入できるというもので、オフィスのパソコンを一新する時などに活用される特例だ。
 ところがある中小企業は、この特例を利用して25万円のパソコンを10台購入したところ、市から「おたくが取得したパソコンは課税対象になる」との連絡があった。これはどういうことだろう。
 その答えは国税と地方税の違い、さらにいえば法人税と償却資産税のルールの違いにある。法人税や所得税で中小事業者に認められている、取得価額40万円未満の少額減価償却資産の特例は、償却資産税には適用できない。同特例はあくまで租税特別措置法に基づいて法人税や所得税に認められた特例であるため、償却資産税までその効力がおよんでいないのだ。
 償却資産税にも、少額の償却資産を課税対象から除外できる特例は存在するのだが、適用されるのは取得価額が10万円未満の資産で損金に算入したものか、取得価額20万円未満の資産を3年間で償却する「一括償却資産」などに限られる。つまり前述のケースにある25万円のパソコンは、こちらの特例も適用できない。

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