<タックスニュース>

相続登記の義務化24年にも開始へ  所有者不明土地を解消

相続と住所変更の際の登記義務化を盛り込んだ改正不動産登記法と改正民法、新法の相続土地国庫帰属法が、4月21日の参院本会議で可決、成立した。相続などをきっかけに生まれる所有者不明土地が全国で増えている問題を受け、登記手続きを簡素化するとともに、登記を義務化する内容だ。2024年をめどに、相続を知った日から3年以内の登記の義務付けをスタートする。
改正法では、登記にかかる申請負担を軽減する仕組みを導入した。従来の所有者移転登記は被相続人の戸籍一式などが必要だが、新制度では法定相続人のうちの一人が自分の戸籍謄本や住民票を法務局に提出するだけで足りるようになる。また住基ネットによって行政が死亡者を把握し、死亡した人が名義人だった不動産の一覧情報を発行し、相続関係者らが遺産の情報を把握できるようにする。
一方で、相続による取得を知ってから3年以内の登記申請を義務付け、正当な理由なく怠った時には10万円以下の過料を科す。それでも10年間届出がなければ、法定割合で分割するものとみなす。
また所有者不明土地が生まれる理由には住所変更の未登記も多いとして、改正法案では、相続だけでなく住所や氏名の変更登記も義務付けた。住所変更や結婚によって氏名が変わった時には2年以内の登記を義務付け、違反した時には5万円以下の過料を科す。対象には法人も含まれ、本社の移転登記を怠れば過料が科されることとなる。一方で、所有者本人に確認した上で登記官が職権によって変更登記を簡便に行える仕組みも設ける見通しだ。
また新法では、山林など利用価値の低い土地については、土地の上に建物がないことなどを条件に、土地を国庫に納付できる制度を導入した。10年分に相当する土地の管理費を納めれば土地を手放せるようになる。

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<タックスワンポイント>

ニーサにないiDeCoの「欠点」  優遇があっても税金はかかる

老後の資産形成を助ける手法として、利用者が増えているiDeCo(確定拠出年金制度)。最大の特徴は何といっても、掛金として払い込んだ全額が所得から控除されることだ。年金として積み立てた額がすべて控除されるのだから、実質的には「タダで年金を積み立てている」といっても過言ではない。さらに積立金で得た配当や利子も非課税で、受給時にも手厚い税優遇が付いてくるというのだからたまらない。
とはいえiDeCoにも当然、欠点はある。まずiDeCoは年金制度といっても、実際にやることは投資に他ならない。大きく得をする可能性がある一方で、損をするリスクも存在するわけで、老後のために積み立てたお金がなくなってしまう可能性もゼロではない。
さらにiDeCoは、年間の拠出額の上限が自営業者か厚生年金の被保険者か、他の企業年金に加入しているかなどによって変わり、また「加入できるのは原則60歳(来年5月から65歳)未満」という年齢上限が設けられている。また、あくまで老後の資産を積み立てるものであるという理由から60歳になるまで払出ができない。
そして勘違いしやすいのが、iDeCoは税優遇はあっても必ず受取時に所得税がかかるということだ。退職金として一度に受け取れば退職所得控除、年金として少しずつ受け取れば公的年金等控除という優遇は受けられるものの、所得税自体は避けられない。少額投資に対して税優遇を認めるという点でiDeCoはNISAと比べられちだが、NISAが払出時にも非課税であることとは大きく異なるポイントといえる。
もっともこれらの注意点を踏まえても、iDeCoが老後の資産形成のために取れる有力な選択肢の一つであることは変わらない。各控除の枠を出ないよう受け取ることで課税を避けられることもあり、また掛金の控除と合わせればトータルで得をすることもあるため、自分にとってどうすれば得かどうかを、しっかり検討して利用したい。

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