Vol.0010号
<タックスニュース>
自民党がプロジェクトチーム発足 納税者番号を本格検討
納税者番号の導入に向けた動きが加速している。自民党では村上誠一郎・元行政改革相を委員長とするプロジェクトチームを発足。麻生太郎首相も実施に前向きだが、「国民総背番号制に道を開く」との批判も強く実現性は不透明だ。
行政が扱う個人情報は現在、各省庁や市町村ごとに管理され、社会保障給付と保険料、所得総額などを関連付けての利用はできない。番号制は国民一人ひとりに番号を割り振り、情報を一括して管理することから、納税や社会保障の効率化、公平性を高められるというアイデアだ。
政府は与党税制改正大綱に基づき、平成21年度税制改正法案の付則に納税者番号の導入検討を明記。社会保障国民会議も昨年末まとめた最終報告で、納税にも利用できる社会保障番号の導入を提唱するなど実現に向けた機運が高まった。
ただ、個人情報の政府管理に対する国民の警戒感は根強い。国民に11桁の番号を割り振った住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の導入の際も激しい反対運動が巻き起こった。住所、氏名、生年月日など基本情報だけで構成される住基ネットに比べ、番号制で扱う情報量は飛躍的に多くなる。住基ネットそのものを番号制の基幹システムに移行させる案も浮上しており、再び国民論争を巻き起こすのは必至だ。
番号制は「長年、導入の必要性が叫ばれながら世論とマスコミの反対で潰されてきた」(自民党幹部)経緯があるだけに、国民の理解をいかに得るかが最大の課題となりそうだ。
<タックスワンポイント>
ふるさと納税 申告は寄付金の記載でOK
有名人などの制度利用もあり、関心が高まっているのが「ふるさと納税」。
ふるさと納税は寄付金税制の拡充であるため、適用にあたっては申告が必要だが、それ以外の特別な手続きは必要ない。所得税の確定申告や還付申告による場合には、申告書の寄付金額の欄に寄付した自治体と金額を記入するだけ。この場合、所得税については、寄付の金額から5千円を差し引いた額が所得控除となる。自治体では、その確定申告の内容をもとに住民税の税額控除を行う。税額控除は、今年6月以降に納める市区町村の住民税から受けられる。
このふるさと納税の申告には、自治体から交付される寄附証明書(領収書)が必要になるので、紛失しないように注意しよう。多くの自治体では、領収書を再発行できないとしている。もしも紛失してしまったことに気付いたら、自治体に再発行の可否を確認したい。