<タックスニュース>

ねじれ国会でやっぱり「つなぎ法案」!?

 与野党の対立で「対決国会」の様相が強まるなか、今年3月末で期限が切れる関税や税制の特例措置の延長更新に懸念が広がり始めた。昨年の通常国会で「火種」となった揮発油(ガソリン)税の暫定税率のような大きな争点はないものの、野党が2009年度予算や関連法案の審議に全面的に反対するなど国会審議の行方によっては特例が失効する恐れがある。
 今年3月末で期限が切れる特例措置は、税制関連で100項目以上、関税関連では400項目以上に達する。期限切れまでに関連法案が成立しない場合、税の軽減や暫定税率の上乗せといった特例は失効し、該当商品の値上げなど消費者への影響は避けられない。
 例えば現在38・5%の税率が適用されている輸入牛肉は、特例の失効で本来の50%に課税強化され、100グラム当たり14円程度の値上げになる。たばこ、アルコール、チーズなども同様に値上がりする見通しだ。このため与党内では特例を一時的に延長する「つなぎ法案」の準備が必要との声も出始めた。
 税制や関税では品目ごとに時限的な特例措置を決め、それを毎回更新することで特例を事実上、恒常化する手法が一般化している。ガソリン国会となった昨年の通常国会では、関税関連法は国民生活に配慮し与野党の合意で「つなぎ法案」が成立。ガソリン以外の失効は免れたものの、野党を中心に「特例措置を恒久化するのはおかしい。半ば利権化している」との批判もあり、与野党対立が深まれば新たな火種になる可能性もある。

<タックスワンポイント>

信用保証料の損金時期は

 2008年の倒産件数は1年間で1万5646件となり、5年ぶりに1万5千件を超えたことが(株)東京商工リサーチの調べで分かった。負債総額は12兆2919億5300万円で、戦後7番目の規模。そうしたなか、強い関心が寄せられているのがセーフティーネット保証制度だ。
 制度の対象となるのは、指定業種に属する事業を行っている中小企業者であることが前提。さらに、?最近3カ月間の平均売上高などが前年同期比マイナス3%以上であること?製品などの原価のうち20%を占める原油などの仕入価格が20%以上も上がったのに製品価格などに転嫁できていないこと??などが要件となっている。
 しかし、税金面では過去に、信用保証料の支払いの時期と損金算入のタイミングについて審査請求に至ったケースもあるため、その税務取扱いも押さえておきたい。その事例では、信用保証は一定の契約に従って、保証期間中に継続して信用保証という役務の提供を受け、融資実行の時点で役務の提供が終了するわけではないとし、企業が支払う信用保証料をある事業年度に全額支払ったとしても、その事業年度末までに役務提供を受けていない部分については損金にできないとされた。

税理士法人早川・平会計