<タックスニュース>

民景気判断上方修正へ エコポイント・減税バネに

 財務省の全国財務局長会議が7月29日に開かれ、11地域の4~6月期の管内経済情勢が報告された。生産の持ち直しや、経済対策効果による消費の押し上げなどで、沖縄以外の10地域で1~3月期に比べ景気判断を上方修正。全国の総括判断も前回の「悪化し、厳しさを増している」から、「厳しい状況にあるものの、一部に持ち直しや下げ止まりの動きがみられる」に上方修正した。総括判断の上方修正は2004年4月以来5年3カ月ぶり。
 生産は、沖縄を除く10地域で上方修正された。各局の企業に対するヒアリングでは、「4月までは在庫調整を行ったが、5月以降は休止日を設けず、日当たり生産台数も引き上げていく」(東海・自動車関連)、「中国の内需刺激策の効果から電機向けの需要が回復している」(関東・化学)などの声が出ている。個人消費は家電のエコポイント制度や、エコカー減税などの景気対策効果で、関東や東海など5地域で上方修正。
 ただ、「消費者の節約志向がさらに強まっており、客単価も低下」(北海道・スーパー)などの声も多く、6地域は判断を据え置き。雇用も依然として厳しい情勢が続いており、全地域で「厳しい」「悪化」などの判断を据え置いた。各地域からは有効求人倍率がさらに低下し、新規求人数は減少しているとの現状が報告された。

<タックスワンポイント>

確定拠出年金 掛金限度額アップ 来年1月から施行

 7月24日、確定拠出年金の掛金非課税限度額引上げのための「確定拠出年金法施行令」改正政令案が閣議決定された。今回の改正により、確定拠出年金しか企業年金がない場合には、従業員1人当たり月4万6千円だった非課税限度額が5万1千円に、また別に企業年金がある場合には、月2万3千円だった上限が2万5500円となる。個人型の確定拠出年金も、月1万8千円だった限度額が2万3千円に引き上げられる。
 確定拠出年金とは、国民年金や企業年金といった年金に上乗せするかたちで加入する私的年金。企業が掛金を拠出する「企業型年金」と、個人で掛金を拠出する「個人型年金」がある。企業型年金は、個人での加入は不可。また、確定給付型年金などに加入しているかどうかで、加入限度額が変わる。掛金は福利厚生費などとして全額損金参入となる。
 個人型年金は逆に個人のみ加入可。自営業者や、年金を実施していない企業に勤めている人が対象。掛金は所得控除される。掛金の運用については加入者自身が指示するのが特徴で、加入者にとっては運用リスクを負うデメリットがあるが、運用次第では年金給付額が増額する可能性もある。
 施行は平成22年1月1日。今回、企業型年金において、掛金限度額内で労使折半で掛金を拠出し個人拠出分は全額を所得控除とする、いわゆる「マッチング拠出」を認める確定拠出年金法改正案が国会に提出されていた。だが衆院解散により廃案。政省令を改正し、非課税限度額の引上げのみを実施した。

税理士法人早川・平会計