Vol.0149
<タックスニュース>
復興増税3党、たばこ税を除外で合意 公が自に寄り、民が折れ
東日本大震災の復興財源を賄う臨時増税を巡り、民主、自民、公明の3党は、たばこ税を除外することで合意した。たばこ増税に反対する自民に民主が配慮した。
一方、未成立の11年度税制改正法案についても、自民の反発を受け、復興増税にかかわる法人税減税以外は結論を先送りすることでも合意。復興債の償還期間も含め、政府・与党が自民党の意向を全面的に受け入れ、「ベタ降り」した。
3党税調会長会談で民主の藤井裕久氏は、たばこ税を除外すれば地方税で個人住民税の負担が増し、自治体の反発を招きかねないことなどを訴えたが、自民の野田毅氏は葉タバコ農家保護などの観点から強硬に反対。公明もたばこ容認から一転し、「たばこ税にこだわらない」と自民に同調する構えを見せたため、最終的に藤井氏が折れた。
政府・与党の当初案では、たばこ税は国税分を10年間、地方税分を5年間合わせて1本2円引き上げる内容だった。見送り分は、所得税と住民税に上乗せされ、住民税は、当初案の年間500円(5年間)の均等割から1000円(10年間)に負担が増す。
また、11年度税法案では、法人税の実効税率5%引き下げは合意されたが、成年扶養控除や給与所得控除の見直し、相続税増税、地球温暖化対策税(温対税)の創設などは自民の了承が得られず、12年度税制改正議論などに先送りすることで一致した。このうち、温対税は、公明内で賛成する意見も多いが、たばこ税への賛否を含めて、最終的に自民と歩調を合わせるケースも多いだけに、今後も成立のめどは立っていない。
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<タックスワンポイント>
「配偶者控除の廃止」見送り エコカー減税は対象車種絞り込み延長
厚生労働省が要望している「配偶者控除の廃止・縮小」について、政府税制調査会は、来年度の税制改正では見送る方向で調整に入った。社会保障と税の一体改革に伴う税制抜本改革の議論のなかで、平成25年度以降の実施をあらためて検討する。消費税率引き上げの議論が年末にかけて控えていることから、増税の焦点となっている配偶者控除の見直しをはじめ、調整が難しい課題についてはいずれも議論を避け、検討を先送りする姿勢。住宅購入資金に関する贈与税の軽減延長・拡充なども検討課題となっている。
民主党はマニフェストで、子ども手当の財源確保のために配偶者控除の廃止を打ち出している。しかし、党内で反対論が根強いことに加え、消費税の増税へ向けた議論が本格化を控えている事情もあり、先送りはやむを得ないと判断したもよう。また、来春で期限が切れるエコカー減税については、対象を環境性能の高い車種に絞り込んだうえで延長する方向だ。民主党税制調査会が来年度税制改正で政府への重点要望に盛り込む。
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