Vol.0155
<タックスニュース>
国税庁 24年度予算概算・定員機構 「共通番号制度」関係に16・8億円
国税庁は平成24年度の「予算(案)の概算」および「定員・機構」を発表した。
それによると、24年度の国税庁予算案は総額7093億2500万円で、前年度から92億1700万円減少、割合にして対前年比98・7%となった。また、定員については995人の新規増員が認められた一方で、定員合理化数が1064人で、69人の純減となった。これにより国税庁の24年度末定員は5万6194人となる。
国税庁は24年度予算2案のポイントについて以下の3点を挙げている。1.経済社会の複雑・国際化、IT化の進展など税務行政を取り巻く環境の変化に対応し、適正・公平な課税を実現するために必要な経費、2.東日本大震災の発生を踏まえた対応経費、3.共通番号制度の導入経費―。具体的には、納税者の申告状況など税務データ全般の管理システムに係る運用経費など情報化経費として412億8800万円(対前年度比99・8%)、e-Tax(国税電子申告・納税システム)の運用促進など納税者利便向上経費として97億1200万円(同78%)、外国調査や移転価格税制に伴う相互協議関連の費用など国際化対策経費として9億3100万円(同100・9%)、庁・局署一般経費として588億9100
万円(同97・7%)、税務署庁舎の耐震補強や耐震改修費用など職場環境整備・安全対策経費として81億5500万円を計上している。
続いて今回新たに経費が計上されたものとして、東日本大震災復旧・復興経費に43億7700万円、共通番号制度関係経費に16億8100万円となっている。定員・機構関係については、「審理体制の充実強化」、「調査・徴収体制の充実強化」、「国際化への対応」、「社会保障・税に関わる番号制度への対応」などのための増員が認められたとしている。
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<タックスワンポイント>
ゼロクーポン債 利付債とは異なる税務処理
ゼロクーポン債とは、国外で割引の方法によって発行される公社債のこと。定期的に利息を受け取れる「利付債」と違い、償還時に100%になるように、あらかじめ割り引かれた価格で発行される。そのため、表面上の利率がないことからゼロクーポン債と呼ばれる。
税制面では、外国籍の利付債では、クーポンに対して20%が源泉分離課税され、償還時および途中売却の際は非課税となる。一方のゼロクーポン債では、満期まで持っていて受け取る償還差益は”雑所得”として総合課税の対象になり、満期前に中途売却したときの所得は、通常”譲渡所得”として総合課税の対象となる。ただし、ゼロクーポン債の中途売却による所得でも、売る人が有価証券の継続的取引を行っているような場合には、事業所得や雑所得になることもある。
なお、ゼロクーポン債に似ている次の公社債を満期になる前に国内で売却したときの所得も、ゼロクーポン債と同じ取り扱いになるので覚えておきたい。①低クーポン債:原則として、利率が0・5%未満のものをいう。なお、この利率は、この公社債の発行時期、償還期限により異なる。②ストリップス債:その債権が元本の部分と利子の部分とに切り離してそれぞれ取引されるもの。③デファードペイメント債:利子の計算期間が1年を超えるものなど。④利子の利率のうち最も高いものを最も低いもので除して計算した割合が100分の150以上であるもの。これは利子を付さない期間があるものを含む。
ゼロクーポン債は比較的低価格で購入できることで人気があるものの、証券会社によっては口座維持手数料が年間数千円程度かかることもある。そのためあまり少額ではウマミも少ないので、為替手数料などとともに、予算と相談しながら運用したい。
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