Vol.0183
<タックスニュース>
2013年度予算編成 財務省主導から抜け出せるか
野田首相肝いりの成長戦略「日本再生戦略」の決定を受けて、民主党が13年度予算編成に向けた準備を始めた。再生戦略で打ち出した「エネルギー・環境」、「健康」、「農林漁業」の重点施策に優先的に予算配分をする方針を打ち出している。また、概算要求段階から各省庁の政策的経費を一律削減する手法から脱却し、省庁横断的に歳出を削減しつつ、財源を確保することを目指している。財務省主導と批判されがちな予算編成から脱却し、政治主導をアピールする狙いだが、「かけ声倒れ」に終わる可能性もあり、政治主導が実現するかは不透明な面もある。
再生戦略の最終案には政治主導の予算編成を印象づけたい民主党の意向を受ける形で、概算要求段階から、省庁の枠を超えた予算の組み替えや、社会保障分野などについても聖域なく歳出全般を見直すことが盛り込まれた。前原誠司政調会長は「政策分野、施策ごとにメリハリのついた配分を目指し、その実効性を担保するために横割り査定の機能を強化する」と意気込んでいる。
ただ、再生戦略の重点分野に予算を手厚く配分しようにも財源面で課題がある。1兆円規模で社会保障費の自然増が見込まれることや、再生戦略の重点枠の規模を昨年並みの約1兆円にするには、12年度以上に歳出削減をすることが必要となる。省庁横断的な予算組み替えで十分な財源が確保できるかは、「民主党政権のこれまでの予算編成で、予算の組み替えで大規模な財源捻出は実現しなかった。一筋縄ではいかない」(政府幹部)と懐疑的な見方もある。結局省庁の政策的経費を一律で削減する従来手法で落ち着く可能性も残っている。
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<タックスワンポイント>
戦略的な休眠会社 維持する条件とは
長引く景気低迷による経営不振や事業再編などにより子会社の事業を整理するケースは少なくない。しかし、こうした会社の中には、折をみて復活させることを目的に登記は残したままにしておく――など復活を前提に会社を休眠させるケースも多い。
会社を休眠させるには、税務署や都道府県税事務所、市町村役所への届け出が必要となるが、復活を視野に入れた「とりあえずの休眠」という場合には、休眠中であってもやっておかなければならない手続きがいくつかある。
一つ目が税務申告。休眠状態とはあくまで「企業活動を停止している」というだけのこと。法人としての登記が残っている以上は、当然申告も必要になる。これは法人住民税の均等割なども同様だが、自治体によって取り扱いが違うので窓口で確認する必要がある。
また、青色申告制度や欠損金がある場合の繰り越し控除の適用は、申告を続けていないと受けることができなくなってしまうので注意が必要だ。
二つ目は「役員の改選」。休眠中も定款に決められている期間ごとに役員および監査役の改選をする必要がある。これをしなければ、選任懈怠(かいたい)として過料が加えられてしまう。
ところで、休眠会社は最後に登記があった日から12年が経過すると、法務大臣の判断により「みなし解散」とされてしまう(会社法第472条)。12年を過ぎて2カ月以内に本店所在地を管轄する登記所へ「事業を廃止していない」という届出書を出すよう、官報に公告される。その間に届出書が出されなければ、みなし解散とされてしまうので十分な注意が必要だ。
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