Vol.0224
<タックスニュース>
「即時償却」の法人減税を検討 設備投資の前倒しに期待
麻生太郎財務相は、政府が今年秋に打ち出す設備投資減税に関連して、減価償却費を前倒しすることで、投資した初年度に一括して計上できるようにする「即時償却」による法人減税を検討する考えを示した。麻生氏は「国内で設備投資をしてもらえるというのであれば、一括償却とか即時償却は1つの手段としては考えられる」と述べた。安倍晋三首相が掲げる成長戦略では、民間の設備投資を3年間で1割増の年70兆円に引き上げることを目指しており、これらの減税策を検討することで設備投資の前倒しを促したい考えだ。
減価償却とは、建物や機械など長期にわたって使用できる設備について、その取得費を複数年にわたって一定額または一定割合ずつを毎年損金として計上する仕組み。償却期間は設備の耐用年数により異なる。
即時償却が認められれば、設備投資をした初年度に損金として全額計上することができることから、その年の利益を圧縮するため、支払う法人税を安くすることができる。企業が最終的に納める法人税の総額は基本的には変わらないが、初年度に手元に残る資金が増えることから、金融機関からの借り入れを減らすことができ、金利負担の減少など企業にメリットがある。すでに太陽光発電装置などの省エネ設備に対する投資で認められている。
産業界からは法人税の実効税率の引き下げを求める声が強いが、財務省は大幅な税収減につながる一律の法人減税には慎重な立場だ。麻生氏は「国際競争にさらされているのは主に製造業で、製造業が国内で設備投資をすれば雇用の確保や日本の国内総生産に直接関係する」と述べ、製造業の投資の活性化につながる減税策を検討する考えを示した。
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<タックスワンポイント>
マイカー、自転車・・・通勤手当どうなる?
鉄道や道路の整備によってサラリーマンの通勤圏は拡大傾向。同時に、通勤手段も多様化してきた。一般的な電車通勤のほか、マイカー、自転車など。近年では、鉄道で2~3駅程度なら徒歩通勤するという健康志向の社員も増えているという。
ところで、役員や使用人に通常の給与に加算して支給する通勤手当は、一定の限度額まで非課税扱いとされている。
例えば、電車やバスだけを利用して通勤している社員の場合、運賃や時間、距離などの事情に照らして最も合理的な経路や方法で通勤した場合の通勤定期券等の金額が1カ月当たり10万円まで非課税扱いだ。
ここで気になるのがマイカーや自転車通勤の場合の非課税限度額について。
電車と違って定期券などのような金額基準がないため戸惑いがちだが、マイカーや自転車通勤の場合の非課税限度額は、片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さ)に応じて細かく設定されている。
例えば、片道2km以上10km未満なら4100円、10km以上15km未満は6500円、15km以上25km未満は1万1300円、25km以上35km未満は1万6100円、35km以上45km未満は2万900円、45km以上なら2万4500円、といった具合。2km未満は全額課税だ。
この1カ月当たりの非課税限度額を超えて通勤手当を支給した場合は、その超える部分の金額が給与扱い。この「超える部分の金額」は、通勤手当を支給した月の給与に上乗せして源泉徴収を行う必要がある。ミスが起きやすい部分なので注意が必要だ。
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