<タックスニュース>

法人実効税率  首相20%台への引き下げ表明

 政府・与党内で鋭く対立してきた法人税の実効税率(東京都で35.64%)の引き下げを巡る議論は、安倍晋三首相が6月13日に「数年間で20%台に引き下げることを目指す。来年度から開始する」と表明し、決着した。ただ、最大の争点だった代替財源のあり方については、財政規律派と積極減税派で意見が折り合わず、「骨太の方針」では曖昧な表現で妥結。法人減税を巡る「夏の陣」はひとまず痛み分けで終わったが、来年度の税制改正を具体化する「冬の陣」での再燃は必至だ。
 13日に示された骨太素案では、実効税率引き下げの財源について「課税ベース(対象)の拡大等による恒久財源の確保をする」とし、財政規律派の自民党税制調査会や財務省の主張を反映。一方で、甘利明経済再生担当相や経済産業省の求めで「アベノミクスの効果により日本経済がデフレを脱却し構造的に改善しつつあることを含め」検討するとの記述も盛り込んだ。景気回復に伴う税収増を減税財源として認めるか否かが焦点だったが、どちらとも読める内容だ。
 来年度の税率の下げ幅や、代替財源の議論は、年末の税制改正議論に先送りされた。自民党税調は秋にも具体論に着手するが、赤字法人にも負担を求める「外形標準課税」の拡大や、租税特別措置の見直しなどにも踏み込む構えで、経済界の反発が想定される。年末には消費税率を10%に再引き上げする判断も重なる。来年度の税制改正は「大玉」揃いとなる見通しで、議論は大荒れが必至だ。


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<タックスワンポイント>

お中元シーズン始まる  社名入りカレンダーだと広告宣伝費

 百貨店でお中元商戦が繰り広げられる時期となった。ピークは7月上旬あたりまでというが、今年は消費増税による売り上げの落ち込みを見越して、6月中に購入することが条件で早期割引をして販売しているところも多い。
 今ではお中元の届く時期は全国的に7月1日~15日までが一般的で地域差はなくなりつつあるが、関西地方や北海道は7月15日~8月15日が”常識”とされている。迷う場合はどちらにもかかる7月15日頃に届くようにすればいいだろう。
 経費削減を理由にお中元制度を廃止する企業も少なくない。しかし、長年行ってきた慣習は、取引先との関係を良好に保つための効果的なツールであることは確かだ。
 お中元にかかった費用は交際費となる。中小企業の場合は、平成25年度税制改正により年間800万円までの交際費が全額損金にできるようになった。企業は交際費の使い道の幅が広がったとしても、なるべくならお中元の費用は抑えたいのが本音だ。だが、一人あたり5千円以下の飲食費であれば、交際費から除外され全額損金にできるが、お中元やお歳暮などの「贈り物」は金額に関係なく交際費に該当する。
 ちなみにお中元やお歳暮で社名入りのカレンダーを取引先に贈呈した場合は、広告宣伝費として損金にできる。

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