<タックスニュース>

自社株M&Aに税優遇  手元資金なしでも買収容易に

自社株を使った事業の譲渡(M&A)に税優遇を拡充する方向で政府が検討に入った。現状の優遇特例を適用するための要件を緩和するほか、新たな優遇も設ける。新型コロナウイルスの影響によって中小企業の置かれた経営環境が急速に悪化するなかで、事業譲渡をしやすくすることで将来性のある事業を救済する狙いがある。
「自社株M&Aは、事業の売買の際に、買う側が売る側に現金ではなく自社株を渡す手法のことだ。手元に現金がなくても買収を行えるため、資金に余裕はないが将来性のあるベンチャー企業や、大企業の子会社などが買収をしやすくなる。ただし株式を受け取った側には譲渡益に所得税が課されるため、事業を処分したくても税負担がハードルとなるケースが生じていた。
そこで2018年度税制改正では、この自社株M&Aについて、譲渡益に対する課税を繰り延べる特例が創設された。ただ特例を適用するためには一定の要件を満たし、産業競争力強化法に基づく「特別事業再編計画」に該当する必要があった。経産省が秋にまとめる21年度税制改正に向けた要望では、この要件自体を不要とすることや、新たな税優遇を盛り込む方針だという。
政府は中小企業経営者の事業承継を推し進める上で、かつて注力していた後者育成支援からM&A支援へと軸足を移しつつある。17年に策定した「事業承継5ヶ年計画」では、中小企業が利用できるM&A市場の育成や、地域の事業統合支援などが柱となった。

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<タックスワンポイント>

8月~9月は一大決算シーズン  「期またぎ」の損失の処理の注意点

個人事業者とは異なって企業は自社の決算月を自由に選ぶことができる。国税庁の統計によれば、もっとも決算月に選ばれている月は3月で、全法人のうち約20%が3月を区切りのいいタイミングとしているようだ。ちなみに2番目に多いのが、3月からちょうど半期にあたる9月で11%となっている。その前月である8月も5番目に多い約9%なので、8月~9月の今の時期は、3月にも劣らぬ「一大決算シーズン」というわけだ。
決算期には様々な税務・経理業務が行われるが、そのなかで間違えやすいポイントの一つが、期をまたいで発生した損失の経理処理だろう。
例えば前期に出荷して売上を計上した製品に不備が見つかってしまい、今期になって大量に返品されるというケースが起こったとする。すでに前期分の申告は終えた後だが、修正申告を行うべきだろうか。
このように前期に売り上げた商品について今期になって損失が発生した時は、すでに済ませてしまった前期の申告を修正する必要はなく、当期の売上高から控除すればよい。その際には、相手方から返品の通知を受けた日か、または返品を受けた日の事業年度の損失として計上する。
返品以外でも、前期に納品した製品に不良品などが見つかって今期に入って大幅な値引きを行ったケースや、大量発注してくれた顧客に割戻しをしたケースの取り扱いも同様だ。修正申告は行わず、値引きなどを取引相手に通知した日の事業年度で損失を計上することになる。
なお返品された商品が課税仕入れの対象であれば、消費税についても調整を行わなければならない。具体的には返品などによって生まれた税額の差異を当期の消費税額に反映させて調整する。売上高同様に、売上を計上した期でなく、返品などが実際にあった期で調整するので気を付けたい。
途中で課税事業者から免税事業者、または免税事業者から課税事業者に変わっている場合には注意が必要だ。免税事業者だった期間の仕入れについて、課税事業者になってから受けた返品や、逆に課税事業者だった頃に仕入れた製品について、免税事業者に変わってから行った割戻しなどについては、原則として消費税の調整を行うことはできない。

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