Vol.0798
<タックスニュース>
税理士・税理士法人の懲戒処分 19件中、最も重い「禁止」4件
2025事務年度前半分の「税理士懲戒処分公告」(処分権者=片山さつき財務相)が官報に記載された。毎年1月末と6月末に掲載されるもので、今回は税理士18人と税理士法人1社が対象となっている。処分の適用開始は1月19日もしくは20日。
処分の内容は、最も重い「禁止」が4件。処分を受けた日から3年間は税理士となる資格を持てず、登録を抹消される。次に重い処分の「停止」が14件で、最長2年間は税理士業務を行えない。最も軽い「戒告」は1件だった。
今回は法人の税務申告での不正・過失が多く発覚し、処分対象となった税理士18人のうち最多の10人が法人税申告での問題行為に関わっていた。例えば大阪府の税理士は、関与先の複数社で役務提供の事実がない架空の外注費などを計上することで不正に所得金額を圧縮した申告書を作成した。
また、東京都の税理士は、関与先の収入と経費の一部が同社に帰属すると知りながら、複数の個人に帰属するものとして同社の申告から除外することで、不正に所得金額を圧縮していた。いずれも最も重い禁止処分となっている。
法人税申告以外では、相続税関係で1人が禁止処分となった。東京都の税理士は、関与先の個人の全財産を自分に無償で贈与し、関与先の死亡で効力を生じる内容の死因贈与契約書を、関与先の意思に基づかずに作成した。さらに職務上請求した住民票の写しなどで関与先が死亡した事実を知り、関与先の不動産について、同契約書を用いて自分のための所有権移転登記をしたうえで第三者に売却。売却代金を自分名義の預金口座などで受領し、関与先の預金口座を解約して預金残高を取得した。
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<タックスワンポイント>
社宅と手当 税務上の違いとは 扱いを誤ると否認リスクも
役員や従業員の住居費を会社がどこまで負担できるかは、多くの中小企業が悩むテーマだ。代表的な方法が「社宅」と「住宅手当」だが、税務上の扱いは大きく異なる。
社宅は、会社が物件を借り上げて貸与する仕組みで、入居者が一定の家賃(賃料相当額)を負担していれば、会社負担分を福利厚生費として処理しやすく、本人側の税負担も抑えられる。ただし、家賃が無償や著しく低額だと給与課税となってしまい、源泉徴収漏れのリスクも生じやすい。
これに対し、住宅手当は現金支給のため、原則として全額が給与となる。所得税や社会保険の対象にもなるため、会社側にとっては経費になるものの、税務メリットは限定的といえる。
社宅の実務では、さらに①賃貸借契約を会社名義で締結する②社宅規程や貸与契約書で対象者・負担額・退去時の扱いを明確化する③入居者負担分は給与天引きなどで確実に回収する――の3点を押さえたい。
一方、住宅手当を選ぶなら、給与課税であることを前提として、支給基準を給与規程に落とし込み、家族構成や勤務地に応じた合理性を示しておくと説明しやすいだろう。なお、役員社宅は計算式が異なる場合もあるため、金額設定を自己判断せず、税理士と確認してから運用を開始するのが安全だ。
