<タックスニュース>

マイナンバー違憲裁判  二審でも国が勝訴

マイナンバー制度はプライバシー権を侵害し違憲だとして納税者がマイナンバーの利用差し止めや慰謝料を求めた裁判で、仙台高裁 は5月27日、違憲に当たらないとする一審判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。マイナンバーの違憲訴訟は全国で8件起こされたが一審ではいずれも原告が敗訴し、今回が初の控訴審判決となる。
原告となった宮城県と青森県の納税者8人は、「本人の同意を得ない個人情報の収集や利用は憲法13条が保障するプライバシー権を侵害する」と主張。また制度開始から番号の漏えいもたびたび起き、安全対策も不十分と指摘していた。これに対し国は、「漏えいは人為的ミスによるもので、制度上の欠陥が原因ではない」と反論していた。
小林久起裁判長は、昨年6月の一審判決と同様に、「個人情報の目的外利用、漏えいを防ぐ措置も講じられ、プライバシー権の侵害は認められない」として、マイナンバー制度は憲法違反に当たらないと結論付けた。これまでの同種の裁判でも、マイナンバー制度に法制上やシステムの不備はないとされ、「正当な行政目的の範囲を超えて個人情報が利用される危険があるとはいえず、原告らの権利や利益を侵害するとはいえない」などとして、いずれも原告の訴えが退けられている。原告側代理人は二審判決を受け、「上告を検討したい」と話した。
マイナンバー制度を巡っては、今月4日に愛知県瀬戸市で、企業が給与から差し引く住民税の特別徴収税額のデータを誤って別の企業へ送り、279人分のマイナンバーを含む個人情報が漏えいした。同市は国の個人情報保護委員会が定める「重大事態」に当たるとして同委員会に報告している。また5月には静岡県教育委員会が、県立高校の保護者のマイナンバーを記載した書類を紛失したことを公表するなど、マイナンバーを巡る不祥事は絶えない。

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<タックスワンポイント>

マイホーム購入で最大50万円のすまい給付金  ローン減税と併用も可能

年収が775万円以下なら、マイホームを取得した時点で最大50万円の「すまい給付金」を受け取ることが可能だ。住宅ローン残高の一部を所得税から10年間(現在はコロナ特例により13年)控除できる「住宅ローン減税」とも併用できるので、マイホームを買ったときには税務署にはローン減税の適用の申告をするとともに、「すまい給付金申請窓口」の給付手続きも忘れずに行いたい。
給付金の対象になるローンは金融機関から5年以上の返済期間で借りたもので、親類や知人からの借入金は対象にならない。原則として床面積50平方メートル以上などの住宅要件も設けられている。なお、住宅ローンを利用せずに即金で住宅を取得した人も、50歳以上なら給付金の対象になる。
給付金の申請は「すまい給付金申請窓口」に登録している民間の住宅関連事業者などで行う。申請期限は住宅の引き渡しを受けてから1年3カ月以内だ。おおよそ申請書の提出から1カ月半~2カ月で給付金を受け取れるだろう。
冒頭の「775万円」という基準は各種控除制度を適用する前の数字であり、家族構成や世帯収入によって異なってくる。収入ごとの給付額の目安は、世帯年収450万円以下なら50万円、450万円超525万円以下なら40万円、525万円超600万円以下なら30万円、600万円超675万円以下なら20万円、675万円超775万円以下なら10万円だ。かつては最大給付金額は30万円だったが、2019年10月に消費税率が10%に引き上げられたことに伴い、年収条件や給付金額が変わった。
なお、すまい給付金がいくら受け取れるかは、給付金ウェブサイトの専用コーナーで、住宅と土地の価格、所有権の持ち分割合、住宅ローン利用の有無、年収、家族構成などを入力すればシミュレーションできる。夫婦が共有してマイホームを持ち合う場合それぞれが給付金を受け取ることもできる。

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