<タックスニュース>

確定申告、間違ってない?  修正遅れで膨らむ延滞税

 所得税の確定申告期間が3月15日に終わった。もし今になって計算ミスが判明し、納税額が本来の額より過少になっていることが分かったなら早めに修正申告を済ませたい。時間が経てば経つほど「延滞税」が多額になるからだ。
 延滞税は、法定期限までに納税していないことへのペナルティーとして課税されるもので、2カ月以内なら本税の2・6%、それ以降は8・9%の税額が加算される。納税額が100万円で今年の年末にまで納税がずれ込むと、法定納期限である3月15日からの延滞税は約6万円になる。
 誤りに気付いた時点で修正申告をしないままで税務調査を受けると、延滞税に加えて「過少申告加算税」も課税される。税額は、期限内申告税額と50万円のいずれか高い金額を超える部分は15%、それ以外の部分は10%となっている。
 また、申告自体を忘れて無申告となっている人は、過少申告加算税より重い「無申告加算税」の対象になる。加算税の額は、本来の税額の50万円までの部分に15%、50万円超に20%を掛けて算出する。過少申告同様に延滞税も加算されるので、気付いた時点で申告するのが賢明だ。
 なお、申告書の作成後に納税は済ませたものの、申告書の提出は忘れていたことに今になって気付いた人は、早めに対応すれば無申告加算税をゼロにできることもある。この免除特例は、期限内に申告するつもりだったにもかかわらず事務的なミスなどによって申告できていなかった人を対象にしたもので、(1)申告期限の1カ月後までに自主的に申告書を提出、(2)法定期限までに全額を納税、(3)過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがなく、かつ無申告加算税の免除特例も適用していない――の3つが適用条件となる。

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<タックスワンポイント>

社用車で駐車違反、罰金は誰が払う?  役員か従業員かで扱いが変わる

 都内の駐車場を全部合わせても走っている車の台数に足りない――なんてことを言われてしまうのが都会の駐車場事情だ。社用車で向かった先に車を停める場所が見つからなかったり、あるいはようやく空車を見つけても目的地まで長い距離を歩かなければならなかったりという理由で、周囲の目をうかがいながら路上駐車したことがある人もいるだろう。そして数十分後には、車に貼られた駐車違反のステッカーを見て「ほんの短い時間だったのに……」とため息を漏らすのもあり得る話だ。
 駐車違反に対する罰金は、かつては運転者だけが払うものだった。しかし、2006年の道路交通法改正で「放置違反金」という制度が登場してからは、運転者が払わない時には、車検証に記載された「所有者」が罰金を払うこととされている。社用車であれば、会社がその所有者ということになる。
 「業務中の交通違反の罰金は会社が払わなければならない」という規定があるわけではないので、従業員の違反に対する罰金を払ってあげるかどうかは会社の方針による。とはいえ業務によっては、どうしても路上駐車をしがちになってしまうこともあり、よほど従業員に過失がない限りは会社負担としている所もあるだろう。
 この業務上の必要性は、社用車の交通違反で発生した反則金やレッカー費用を会社が負担した時の損金算入の計算にも、大きく関わってくる。例えば交通違反の内容が業務の遂行に関連があると認められれば、会社が負担した交通反則金は、会社自身に課せられた罰金と同様に取り扱う。罰金を損金として認めてしまうと違反者に対する罰則の効果がなくなるので、損金不算入となるわけだ。
 一方、交通違反の内容が業務の遂行に関連がないのであれば、罰金は駐車違反した個人が負担すべき費用ということになる。そのため罰金を会社が負担すると、その従業員への「給与」とみなされ、会社にとっては損金算入が可能だ。ただし注意点が2つあり、給与である以上は従業員個人には所得税が課されることと、罰金を肩代わりしてもらったのが役員だと「役員報酬」扱いとなって損金には含められないので気を付けたい。なおレッカー費用については、実費負担という意味合いから罰金扱いにはならず、業務に関係ある交通違反だったとしても損金算入が可能だ。

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