<タックスニュース>

税財源巡り東京都が国と大ケンカ  「狙い撃ちの度が過ぎる」

 東京都の税制調査会は10月16日、東京都と地方の税収格差を是正するために政府が検討している措置について「地方自治の根幹を脅かす」と反発する答申案を取りまとめた。税財源を協議する都の有識者会議もその直後に開かれ、より政府を糾弾するトーンを鮮明にしようと、予定されていた報告書案の取りまとめを見送った。2019年度の税制改正を巡る対立が一層熱を帯びてきた。
 政府は地方法人課税を見直して都から地方への分配を強化する考えだ。法人事業税と法人住民税が、都道府県の間で人口1人あたり最大6倍の格差が生じており「都に税財源が偏在している」(総務省幹部)ことが根拠になっている。これに対し、都幹部は「過去30年の税制改正で国に奪われた都税は6兆円に上り、今回の見直しが実現すればさらに4000億円程度の減収が確実」と指摘し、「狙い撃ちの度が過ぎる」と頭を抱える。
 都税調の答申案は、政府のスタンスを「地域間での財源の奪い合いの構図へと誘導するかのようだ」と非難。「わが国の諸課題の本質的な解決にはつながらない」と断じた。一方、有識者会議「東京と日本の成長を考える検討会」は、都への投資は効率が高く他自治体への経済波及効果も発生する試算を示し、税源移譲で地方分権を加速させる必要性を訴える報告書案を準備したが、「迫力不足なので論調をより激しくしたい」(会議メンバーの一人)ため練り直すことになった。
 「東京都と国は大げんかしているところだ」。会議のメンバーであるジャーナリストの田原総一朗氏は、終了後にこう語った。税制改正の内容が正式に決まる年末まで、さらにヒートアップしていきそうだ。

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<タックスワンポイント>

新しくなった広大地ルールで評価額2倍?  中小工場地区は減額の対象外に

 「大は小を兼ねる」ということわざに従うなら、土地を持つにしても狭いより広いほうがいい。しかし広い土地を開発して住宅地にしようとすると、道路や公園などを作ることが法律で求められ、土地のすべてを売り物にできるわけではない。そのため税法では、一定以上の広さの土地は「広大地」として、相続や贈与などの際の評価額を広さに応じて減額するという制度が設けられている。
 この広大地のルールが今年1月から大きく変わった。適用要件や減額補正率などにあいまいな点が多く、実勢価格と評価額に大きなかい離が見られたことや、適用できるかを巡って納税者と国税当局が対立するケースが多く出たことを踏まえ、要件や減額ルールなどが明確化された。
 新ルールでは、「三大都市圏なら500平方メートル以上、それ以外なら1千平方メートル以上」、「普通住宅地区もしくは普通商業・併用住宅地区にある」などの要件を満たせば、税法上の「地積規模の大きな宅地の評価」として評価額を減らすことができる。また旧ルールでは減額幅を単純に面積に比例して計算していたが、いびつな形で使い勝手が悪い土地と、四角く使い勝手の良い土地の実売価格に差額が出ることを考慮し、形状など土地の”個性”に応じた補正率を加味して減額率を算出することとなった。ルールが明確化されて分かりやすくなったと言うこともできるが、面積要件がないことを利用して中規模の土地を広大地として認めさせるような今までの節税手法が使えなくなったとも言える。
 注意したいのは、旧ルールはあいまいだった広大地の要件が明文化されたことで、これまで評価減の対象となってきた、路線価地区区分の「中小工場地区」、地積規模の要件に満たない土地、指定容積率300%の地区で道路の幅員で制限のある土地が、減額対象外になったことだ。広大地による減額幅は大きいため、適用がないだけで土地の相続税評価額がこれまでの2倍に膨らむことも起こり得る。また広大地が適用できたとしても、四角く使い勝手の良い土地では減額幅が縮小され、評価額に数千万円の差が出てしまう可能性もある。
 逆に、いびつで使い勝手の悪い土地は、これまでより減額幅が大きくなる可能性が高い。またマンション用地など、新ルールになって広大地が適用できるようになった土地もあるので、広大地ルールの見直しによって得をするか損をするかはケースバイケースと言えるだろう。


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