<タックスニュース>

高須院長が空き巣被害  雑損控除の適用ならず?

 高須クリニックの高須克弥院長が、連休中の5月4日に空き巣被害に遭い、別荘から時価総額3400万円に上る金の延べ板とノートパソコンを盗まれていたことが分かった。玄関の鍵がバールで破壊され、侵入されたという。
 空き巣に入られてお金や物を盗まれた人は、被害金額を所得から控除できる所得税の特例「雑損控除」を適用できることがあるが、高須氏は特例を活用できない可能性が高い。
 雑損控除とは、「損失額-所得金額×10%」と「損失額のうち災害関連支出の金額-5万円」のうち多い方の金額を所得から差し引ける制度。控除しきれない分は3年間繰り越すこともできる。対象になる被害は盗難だけではなく、震災、風水害、冷害、雪害などの自然災害、火災や火薬類の爆発など人為による被害、害虫など生物による被害も含まれる。
 あくまでも災害や犯罪で資産に損害を受け、生活に支障が生じている人を救済する制度なので、生活に必要ない資産が被害を受けても対象にならない。高須氏が盗まれた金の延べ板は、生活に必要な資産とは言い難いので対象外となると見られる。また別荘の一部も破壊されたが、趣味や保養のための不動産なので、損害分を所得から控除することは難しい。
 対象になる可能性があるのはノートパソコンの盗難だが、高須氏の年収を「損失額-所得金額×10%」の計算式に当てはめて控除額が出るとは考えにくいところだ。

税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ

<タックスワンポイント>

カード払いが得とは限らない自動車税  自治体ごとの手数料に注意

 4月1日時点で所有している自動車にかかる「自動車税」の納期限が迫っている。車を持っている人の元には納付書がすでに届けられているはずだ。納付書をコンビニエンスストアや金融機関に持参して支払う方法だけではなく、クレジットカード払いも可能なため、「カード会社からポイントがもらえるのでカード払いは得」と考える人もいるが必ずしもそうではない。
 自動車税は車の所有者が毎年5月末までに支払わなければならない地方税で、排気量に応じて2万9500円から11万1千円の税額が設定されている。ちなみに期限内納付率は約8割だそうだ。
 クレジットカード払いをすれば通常の買い物と同様にカード会社からポイント還元を受けることが可能だが、確認しておかなければならないのは決済手数料だ。自治体によって手数料は異なるものの300円以上は取られると考えて良い。すなわち、自動車税の下限金額である2万9500円をカード払いする場合、手数料はその1%以上となる。仮にカードの還元率が0・5%とすると148円(=2万9500円×0・5%)しか還元されず、決済手数料との差額の約150円が損となってしまう。ポイント分が得だからという理由だけでカード払いにしている人は改めて損か得かを確認するようにしたい。
 なお自動車税は、今年10月に「自動車税種別割」に名称が改められるとともに、それ以降に初回新規登録を受けた車の税額が現行から最大4500円引き下げられることとなっている。

相続専門の税理士による、相続、生前対策、事業承継のご相談は、初回無料で実施中です

税理士法人早川・平会計