<タックスニュース>

グーグルがタックスヘイブン利用縮小へ  批判強まり方針転換

 米グーグルは、租税回避地(タックスヘイブン)を活用した節税を縮小する方針を決めた。法人税がない英領バミューダ諸島などに設立した関係会社を使って税負担を抑えてきたが、プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業による節税に批判が強まり、見直しに追い込まれた格好だ。20カ国・地域(G20)と経済協力開発機構(OECD)が今年中の導入合意を目指すデジタル課税に先行して対応する狙いもある。
 グーグルはこれまで、バミューダ法人が管理するアイルランド子会社に対し、インターネット検索や広告に関する知的財産権を付与。さらにこの子会社が、事業を営む別のアイルランド子会社に技術を与え、その対価はオランダ子会社を介して受け取ってきた。こうした仕組みは1980年代に米アップルが考案したとされ、「ダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドイッチ」と呼ばれ、租税を回避する代表的な手法として広まってきた。
 グーグルは2018年、オランダ子会社からバミューダに218億ユーロ(約2兆7000億円)の資金を移転したとされる。前年より1割増えていて、批判を受けても過剰な節税意識が変わっていないことをうかがわせていたが、今後は知的財産権をバミューダ法人の管理子会社を経由せず、米国から直接供与して資金を移動しなくて済むように改めることにした。
 米国の巨大IT企業は、利益の大部分を低税率国やタックスヘイブンにとどめ、実際に利益を上げている消費者のいる国々で十分な税負担をしていないと批判されてきた。各国は監視を強めており、グーグルも19年9月、法人税率が低いアイルランドに欧州本社の機能を置いて課税を免れていた問題を巡り、罰金など9億6500万ユーロ(約1150億円)を支払うことでフランス国税当局と和解している。

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<タックスワンポイント>

眼鏡の代金は医療費控除で差し引ける?  レーシック手術は自由診療だが…

 近視や遠視を矯正するための一般的な眼鏡の購入費用は原則として、たとえ視力回復のためであっても、所得からその費用を差し引ける「医療費控除」の対象にはできない。
 ただし、すべての眼鏡購入が対象外になるわけではなく、例外もある。医療費控除の対象になるケースは、例えば視力機能が未発達の子どもが治療を受けている医師から視力発育促進のために眼鏡使用を指示されたときや、白内障患者が手術で傷ついた部分の保護や治癒までの視機能回復のために着ける眼鏡を購入したときだ。総じて医師の治療が必要な症状があり、実際に治療が行われているなら医療費控除の対象となり、実際に眼鏡購入に関して認められるのは弱視、斜視、白内障、緑内障、難治性疾患(調節異常、視神経炎、角膜外傷、虹彩炎など)のうち、一定の症状が出ているものに限られているようだ。この条件は、コンタクトレンズも変わらない。
 なお、眼鏡の購入費用が医療費控除の対象になるとき、眼鏡のフレーム代についても、プラスティックやチタンなど一般的に使用されている材料を使用していれば購入費用は控除対象になる。一方で、特別に高価な材料を使っているときや、特別な装飾を施しているときなど、ぜいたく品とみなされれば費用を控除することはできないので注意が必要だ。
 最後に、角膜にレーザーを照射して視力を回復させる「レーシック手術」は、保険診療の対象にはならないが、「医学的な方法で正常な状態に回復させるもの」として、医療費控除の対象に含めることは可能だ。病院にもよるが、レーシック手術を受ければ片眼だけで10万円を超えることも珍しくないため、手術を受けた時は医療費控除を受けることを忘れないようにしたい。

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