<タックスニュース>

与謝野”変節”に財政規律派イライラ・・・

 政界きっての財政再建論者として知られる与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が、大規模な財政出動を示唆する発言を繰り返し、政界に波紋を広げている。
 与謝野氏は10日の閣議後会見で「長い間、財政規律を守ることをずっとやってきた。財政規律派の仕事としては、昨年末の中期プログラム策定でとりあえず一時、公演中止だ」と述べ、財政規律路線の凍結に言及。「経済回復のためにはあらゆる政策手段をとって行動する」と強調した。
 政府は2009年度補正予算の編成も視野に、水面下で大規模な追加経済対策の策定を進めている。与謝野氏の発言はその財源確保のため、赤字国債の大規模発行も辞さない姿勢を示したものと受けとられ、債券などマーケットはさっそく反応。政界でも賛否両論が渦巻いた。
 その急先鋒が自民党税制調査会の重鎮で、財政規律派を自認する伊吹文明・元財務相。与謝野氏の言動に「ちょっと困った発言だ」と苦言を呈し、「堂々と国債を発行して財政対策をやるのは当たり前。景気を良くして国債を償還するのが、財政規律派の基本的な姿勢だ」とかみついた。
 政界の関心は追加経済対策の中身に移っており、「真水で20~30兆円規模の対策が必要だ」(閣僚経験者)との声が上がるなど、早くもぶんどり合戦の様相を呈しつつある。閣内では与謝野氏以外、無節操な財政出動の歯止め役はいないだけに、「変節」したとも見える言動に我慢ならなかったようだ。

<タックスワンポイント>

花粉症と医療費控除??空気清浄機は適用外

 例年この時期、花粉症に悩む人が増える。花粉症の人が、病院で医者の診療を受けた場合、その費用は基本的に医療費控除の適用対象である。しかし、空気清浄機など花粉症を予防したり、軽減したりするような対策グッズにも適用されるのか、気になるところだ。
 対策グッズには、室内の花粉をキャッチする空気清浄機以外にも、抗アレルゲン剤を配合したフトンなどが販売されている。しかし、こうしたグッズについては、ほとんどが医療費控除の対象にはならない。
 というのも、こうしたグッズは、医師による診療を受けるため直接必要な費用には当たらないと考えられているためだ。たとえば、「アトピー性皮膚炎」の患者が医師から勧められた「防ダニ寝具の購入費用」についても当局では適用外とする見解を公表している。
 一方、市販薬などについては、「その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額であれば医療費控除の対象になる」(所得税法施行令207条)とあり、控除対象になると考えて差し支えないだろう。

税理士法人早川・平会計