Vol.0016号
<タックスニュース>
集え!経済「梁山泊」??首相が有識者を招聘
追加経済対策の策定に向け、麻生太郎首相が有識者から意見を聞く「経済危機克服のための『有識者会合』」が3月16日から始まった。100年に1度の経済危機克服の処方せんをオールジャパンで探る試み。各分野から延べ83名が参加し、景気浮揚に向けたアイデアを提供するが、立場によって意見の隔たりが大きく、「言いっ放し」で終わる懸念もある。
政府は現在、水面下で追加策の検討を進めているが、深刻な景気の落ち込みを受け、大規模な財政出動を求める声が強まっている。一方で、霞が関主導の従来型の手法では「公共事業など代わり映えしない対策しか出せない」(政府関係者)ジレンマを抱えていた。
そこで、専門分野を基礎にした大胆な提言を集め、国内に広がる閉そく感を打破することが有識者会議の狙いだ。学者やエコノミストに加え、日比谷公園の「年越し派遣村」の中心になった湯浅誠・反貧困ネットワーク事務局長ら幅広い人材を参集したのもこのためだ。3月21日まで、雇用、金融、環境など10分野について意見を聴取する。
ただ、1テーマの会合は1時間半程度。1テーマにつき平均8名の有識者が意見を述べるため、議論を深める時間はほとんどない。首相と距離を置く与党議員からは「自分たちに都合のいい意見だけを取り入れることも可能で、単なる霞が関の『アリバイづくり』で終わる懸念もある」と冷めた見方も出ている。
<タックスワンポイント>
横行する偽ブランド品・・・知的財産権の税務処理
財務省によると、平成20年に輸入差止めとなった偽ブランド品、知的財産侵害物品は2万6415件。内訳はバッグ・財布類がトップで1万9793件だった。ブランド品を販売する企業は、そのブランドのロゴやマークといった商標を独占的、排他的に使用する権利、いわゆる商標権を有している。商標には、自社製品としての品質を保証すると共に、他社が類似の商品を販売することで自社製品の評判を落とさないよう保護する役目がある。つまり、商標権は企業にとって大切な財産といえよう。
ちなみに、商標権以外にも特許権、実用新案権、意匠権が知的財産権とされているが、これらは税務上、「無形減価償却資産」として取り扱う。もっとも、無形といっても通常の有形償却資産、たとえば、パソコンやプリンターなどと同様に、「少額資産の減価償却の特例」(措置法67の5)などの適用もできる。