<タックスニュース>

官邸の理想論に「新税調」迷走・・・

 年末の2010年度税制改正を控えて、政府税制調査会が迷走している。発端は、税調を実質主宰する峰崎直樹副財務相の、10月29日の税調後の会見。ガソリン税などの暫定税率の廃止方針について「竹を割ったように、スパッといかない。時期や方法などの中身は今後の議論だ」と述べ、先送りを強く示唆したのだ。
 しかし、藤井財務相は翌30日朝の会見で、「暫定税率は断固廃止する」と表明。鳩山由紀夫首相も廃止方針を表明し、慎重論の峰崎副財務相との温度差が浮き彫りになった。
 たばこ大増税も、峰崎副財務相が同27日、「多くの利害関係者の声があり、すぐにできない」としたのに対し、鳩山首相は同30日、「増税あり得べし」と述べ、方針は食い違う。
 いずれも背景にあるのは税調の「現実論」と官邸の「理想論」の対立だ。税調は暫定税率撤廃の見直しのほかにも、住民税の扶養控除廃止や所得税の特定扶養控除の縮減など、マニフェストにない増税案の検討を次々打ち出している。厳しい財政の現場を知るがゆえの危機感が背景だ。自民党時代は党税調の決定がすなわち政府案だったが、新政権の税調はどこまで決定権を持てるのか。先行きは不透明だ。

<タックスワンポイント>

事業所税に経営者の悲鳴 市町村合併で思わぬ課税

 市町村合併により突然「事業所税」の課税対象になった会社から、悲鳴の声が上がっている。事業所税とは、都市環境の整備および改善に関する事業に充てることを目的とした目的税で、課税されるのは30万人以上の人口を有する市だ。1千平方メートル超の事業用敷地を所有している場合に事業所床面積1平方メートル当たり600円課される「資産割」と、100人超の従業員がいる場合に従業員給与総額×0・25%が課される「従業者割」の二本立て。
 平成21年度末、「平成の大合併」によって人口30万人以上となる市は、37市になる予定。新たに課税対象となる会社からは「業務上広い敷地が必要だからわざわざ郊外に設置したのに」という恨み節も聞こえ、さきごろ行われた経済産業省の税制改正要望の公募でも、同税の見直しについての要望が多数寄せられている。
 合併特例法では、合併地域の事業所税には合併後5年経過するまで「課税免除」、または「不均一課税措置」の適用がある。これは、合併で新たに30万人以上となるか、すでに30万人以上かで扱いが異なる。新たに30万人以上となる場合、原則課税免除。また、すでに30万人以上の市は合併で新たに課税対象となった地域に免除や減額などを行うことができる。
 ただし、不均一課税措置の場合、課税を免除するかどうかは自治体次第。経産省の担当者は「法人事業税の外形標準課税などと多重課税になっているという意見もある。今後制度全体を見直す議論もあり得る」としている。

税理士法人早川・平会計