<タックスニュース>

「たばこ税」厚労省vs財務省  国民の健康か、税収か??

 「たばこ税」の増税論議で、引上げ幅をめぐる税調内の意見対立が先鋭化している。小幅増税にとどめたいのが財務省。古本伸一郎財務政務官は11月27日の税調で「累次にわたる増税の結果、たばこの消費量は減少を続けている」と指摘。「相当数の喫煙者が購入を控え、税収が現行より減少するようなことになれば、たばこ産業の発展と財源収入の確保を目的した『たばこ事業法』の建て付けが問題になる」とくぎを刺した。
 過去の増税幅は最大1本1円程度で、いずれも税収増を実現してきた。しかし、1本5円や10円の大幅増税に踏み切った場合、どのような影響が出るのか財務当局も予想できていない。増収効果を上回る消費の減少を招けば、国・地方合わせて2兆円の財源を生み出す「金の卵」を失いかねない。
 これに対し、「税収が減っても構わない」というのが厚生労働省だ。長浜博行副厚労相は「健康が主眼であり、増税の目的はたばこの需要を減少させることにある」と反論。ほかの委員からも「税収減になったとしても、肺ガンなどの医療コストを考えるとトータルでは財政負担が減る」との声が上がる。
 「値上げは国民生活への影響が大きい。来年の参院選で信を問うべきだ」(峰崎直樹副財務相)。税調内では増税時期の先送り論もくすぶっている。

<タックスワンポイント>

国税庁 HPで電帳法Q&A公開  記帳代行者への委託NG

 国税庁はこのほど、「電子帳簿保存法(電帳法)」の申請事例やQ&Aを同庁ホームページ(HP)に掲載した。電帳法とは、納税者が作成した帳簿類を電子保存することを認めた法律。それまで帳簿書類は紙ベースでの保存が義務付けられていたが、平成10年の同法施行により一部を除きDVDなどでも保存できるようになった。
 今回、HPで紹介された「申請事例」では、承認されない申請の問題点などを具体的に解説。さらにQ&Aコーナーでは、「記帳代行業者に電子計算機処理を委託し、そこで作成された電磁的記録を保存する方法は認められるか」など、80項目に及ぶ質問とその回答を示した。「今回HPに掲載した内容は法律や通達に載っているものではあるが、質問が数多く寄せられたことで、分かりやすいかたちで掲載した」(国税庁)。
 HP掲載について、経団連の要望作成などにも携わってきた(社)日本画像情報マネジメント協会の今別府法務委員長は「e-文書(イメージデータ)保存に関する対応が、従来と180度変わったことの具体的な証しともいえる」と高く評価しており、「利用拡大につながるだろう」と期待を寄せる。

税理士法人早川・平会計