<タックスニュース>

2013年度予算編成 財政について聴く会  社会保障費など歳出削減へ

 2013年度の予算編成が今後本格化する中、財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会「財政について聴く会」(会長=吉川洋・東大大学院教授)が議論を始動させた。政治主導の予算編成を掲げた民主党政権下で、人数や機能を縮小させていたが、今年度は経済界や労働界、マスコミなどから13人を臨時委として増員し、再スタートを切った。今後個別の歳出テーマごとに議論を重ねて、11月末をめどに分科会としての意見をまとめて、城島財務相に提言する予定だ。5日に財務省で行われた初会合では、各委員から、一般会計の歳出の約3割を占める社会保障費の抑制を求める声や、財政健全化の必要性などについて意見が上がった。また、国会審議で野党の協力を得られずに、赤字国債を発行するために必要な
特例公債法案が成立していないことについては、「法案を政争の具にしてはいけない」といった意見も出された。
 同分科会は2009年に誕生した民主党政権が、政治主導による予算編成に取り組むことを目指したため、当時の菅直人財務相が委員数を10人に減らし、役割も事実上縮小させていた。今回、人数を増やしたことについて、吉川会長は「財政などの専門家でない委員が増えることで、国民に近い意見が出てくることが予想されることは意義がある」と述べた。財政問題を国民にとってより身近な問題として受け止めてもらうため、政府の財政に関する情報発信の方法なども取り組むべきテーマになりそうだ。

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<タックスワンポイント>

郵送で申告書提出  消印日を要チェック

 世はe-Tax(国税電子申告納税システム)の時代だが、申告書を紙で提出している会社もまだまだ多い。法人税の申告期間は、事業年度終了の日の翌日から2カ月。余裕を持って準備しているつもりでも、日々の実務に追われる中でこの手の時間が経つのは早いもので、申告期限ギリギリになって税務署に駆け込むケースは少なくないようだ。
 こうした駆け込み申告の場合に押さえておきたいのが、申告書を郵送で税務署に送った場合の取り扱い。確定申告書の「提出日」は基本的に「到達主義」とされている。つまり、申告書が税務署に到達した日を「提出日」と考えるということ。このため、申告期限後に税務署に届いた申告書は原則として「期限後申告」ということになる。
 ただし、郵送による申告書提出については特別な取り扱いがある。郵便物の通信日付、つまり「消印日」で判断するというものだ。消印の日付が申告期限日となっていれば、税務署への到達日が期限後であっても期限内申告扱いになる。
 ただし、これはあくまで「郵送」の場合の取り扱いであるということを頭に入れておきたい。宅配業者を利用した場合は原則通り税務署への到着日が提出日となるので注意が必要だ。ところで、申告期限日が税務署の閉庁日である土日祝日に当たってしまうことがある。この場合、申告期限は休みの前にズレるのでは、と心配する向きもあるがこれは間違い。申告期限日が閉庁日に当たる場合、期限日は休み明けにズレることになる。例えば、申告期限日が土曜日の場合、前日の金曜日に前倒しになるのではなく、翌月曜日が申告期限になるということだ。いずれにせよ、確定申告は余裕をもって早目の申告・納税を心がけたい。


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