<タックスニュース>

消費税 税込み表示義務が緩和  値札書き換えの負担軽減

 政府・与党は3月12日、消費税率引き上げに伴う価格転嫁対策で、税込み価格の表示を義務づける現行制度を緩和して税抜き価格表示を一定期間認めることにした。税率引き上げが2014年4月の8%、15年10月の10%と2回にわたるため、小売業者が増税のたびに値札を書き換える負担を軽減する。
 消費税の価格表示は1989年に消費税を取り入れた直後は決まりがなかったが、04年度から「税込み価格」が義務づけられた。商品本体の価格が100円の場合、値札などの表示は原則として税込みの「105円」にする必要があった。
 ただ、今回は2回の増税が予定されている。そのたびに値札を付け替えるとなれば、小売業者の負担が重くなる。このため、税率が上がる時に値札の貼り替えが間に合わなくても、貼り紙などの別の形で消費者に税額を含む価格を知らせるといった対応を17年3月末まで認めることになった。
 具体的には現在は本体価格が100円の場合は「105円」と表示しなければならないが、法案では店内に消費税率を明示することを条件に「100円(税抜き)」「100円+税」などの表示も容認する。
 このほか中小企業が足並みをそろえ増税分を価格に上乗せする「転嫁カルテル」や、消費税の価格表示を業界内で統一する「表示カルテル」も容認する。
 対策は消費増税に向けた「特別措置法」に盛り込んで今国会に提出し、この法律が成立後にすぐ始める方針だ。


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<タックスワンポイント>

個人契約の携帯電話  業務用なら経費OK

 社長が個人で契約した携帯電話をビジネスでも使っているというケースはありがち。この場合、実態として殆ど仕事用に使っているとしても、「個人契約だから」ということで会社の経費にしていないケースも多いようだが、個人で契約した携帯電話でも仕事で使っているのであれば堂々と経費で落とすことができる。
 経費に算入できるのは、業務用に使った通話料とその使用割合をかけた基本料金。携帯電話会社から送られてくる使用明細で計算が可能だ。この使用明細は「証明」にもなるため、捨てないで大切に保存しておくこと。
 会社契約の携帯電話の取り扱いも今一度見直しておきたい。携帯電話により役務提供を受ける権利は、「電話加入権」ではなく、減価償却資産である「電気通信施設利用権」として取り扱われている。
 電気通信施設利用権の取得価額は、加入時に支払う事務契約手数料。この金額をいったん資産計上し、電気通信施設利用権の耐用年数20年で減価償却していくことになる。
 ただし法人税法では、携帯電話の役務提供を受ける権利の取得価額が10万円未満である場合には、その権利を取得し、事業用として使用を開始した事業年度において、その取得価額の全額を損金に算入することができるとされている。この取り扱いはPHSに加入する際に支払う新規加入料等についても同様だ。
 情報伝達のスピードが営業収益に直結する現代において携帯電話はビジネスの必須ツールとなっている。営業マン全員に携帯電話を持たせるのは今や当たり前。全社員に持たせている会社も増えているようだが、使用台数が高くなるほど申告ミスとなった場合のダメージは大きいので慎重な対応が必要だ。

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