Vol.0220
<タックスニュース>
甘利経済再生相 景気判断を上方修正 輸出「持ち直しの兆しがみられる」
甘利明経済再生担当大臣は20日、5月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気の基調判断を「緩やかに持ち直している」として、前月の「一部に弱さが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる」から上方修正した。甘利大臣は閣僚会議後の記者会見で「海外景気の底堅さ等を背景に輸出に持ち直しの兆しがみられること、個人消費の持ち直し等を背景に生産が緩やかに持ち直していること等を踏まえたもの」と理由を説明した。
個別項目では、輸出が「持ち直しの兆しがみられる」として前月の「下げ止まりつつある」から判断を引き上げた。地域別でみると、アジア向けは「下げ止まっている」、アメリカ向けは「持ち直しの兆しがみられる」、EU向けは「下げ止まりつつある」と説明している。
生産は「緩やかに持ち直している」として前月の「持ち直しの動きがみられる」から上方修正。業種別でみると、輸送機械は「持ち直している」、一般機械は「底堅い動きとなっている」、電子部品・デバイスは「弱含んでいる」という。
甘利大臣はこれからの課題に設備投資を挙げ「下げ幅は小さくなっているがマイナスであることは変わりない。これを一挙にプラスに持っていくような環境をつくることが重要だと思っている」と述べた。
報告では、先行きについて「輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される」としている。ただし「海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き等にも注意が必要である」とも指摘している。
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<タックスワンポイント>
給与改定を有利に 「業績悪化事由」とは
主要な取引先のピンチは自社のピンチでもある。売り上げの大半を依存している取引先に手形の不渡りでも出されたら、自社の経営も大打撃を受けることは必至。そうなった場合、近い将来の跳ね返りに備え、経営改善策として役員給与の減額を考える社長さんも多いだろう。
そんなケースで気になるのが、この場合の役員給与の減額が「業績悪化改定事由」に該当するかどうか。年度中途で減額した役員給与の損金算入が認められるためには、その減額改定が「業績悪化改定事由」に該当している必要がある。
ここで言う「業績悪化改定事由」とは、経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があること。売上や経常利益など会社経営上の数値的指標が既に悪化している場合がこれに当てはまる。
それでは、何らかの手を打たなければ近い将来経営状況が悪化すると思われるが、現状ではこれらの指標が悪化しているとまでは言えない、という場合もこの業績悪化改定事由に当たるのだろうか。
これについて国税庁では、このように売上の大半を占める主要な得意先の経営状況が悪化していて、役員給与の減額などの経営改善策を講じなければ客観的な状況から今後著しく悪化することが不可避と認められる場合には、現状では数値的指標が悪化しているとまでは言えないケースでも、その役員給与の減額は「業績悪化改定事由による改定」に該当するとしている。
これは、役員給与の減額等の経営改善策を講じたことにより、結果として「経営状況の著しい悪化」を予防的に回避できた場合も同様。「業績悪化改定事由」の範囲は思いのほか広いようだ。
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